医療系国家試験:微生物・免疫学分野の過去問を分析する

医師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・看護師・歯科衛生士などの国家試験から生物・微生物・免疫学の問題を集めて受験生に役立ててほしいという趣旨です。

電子書籍をつくってみました。

このサイトではいろいろな国家試験から微生物学・免疫学関係の問題を取りあげてきました。

こういった国家試験に向けての勉強というと、暗記に頼りがちな人も結構いるのですが、私の考えでは、暗記に頼った勉強は得策ではありません(どの試験かにもよりますが・・)。近年、いろいろな国家試験で、単純な知識を問うのではなく、考える力を試されるような問題が出題されているように感じます。暗記だけでは対応できないということです。いくつかの国家試験では、厚労省の会議の資料や発表された文書にもそういった思考レベルを問われる問題を増加させるべきと明記されています。

合格率が100%に近い試験であればよいのですが、そうでなければ、こういった「考える力を試される問題」での正解率が、合否を左右すると考えています。

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 暗記に頼りがちな学習態度はどこからくるのか、といろいろ考えますが、中学・高校での学習がそのようになっていることが原因なのかな、と思います。すべての学校がそうではないと思いますが、例えば定期試験前に教師が、試験に出るポイントをまとめたプリントを配ったりするようです。それ自体、悪いわけではないのですが、試験前になると「まとめのプリントをください」と言われたりすることがあり、びっくりしました。私は、授業を通して自分で要点が分かりまとめを作れることが、学習だと思っています。教科書を端から端まで読むのには膨大な時間がかかりますが、そもそも授業自体がその教科書のまとめになっているはずです。つまり、まとめのプリントが欲しい人は、授業を聞いていないのかな、と思ってしまいます。(それとは別に、授業を聞いても理解できないという人もいるはずなので、そういう学生への配慮はまた別で必要とは思います。)しかし、授業をする側に学生の学習を促す工夫が欠けていたということも反省しないといけないと考えています。

 

前置きが長くなりましたが、暗記したり答えを覚えるだけではなく、「自分で考える」力をつけてもらうにはどうしたらいいかと考えて、電子書籍の形で教材を作ってみました。まだまだ未完成ですが、今後改良していきたいと思い、とりあえずの形で出しました。amazonKindle本として出版しています。

おおまかな分野ごとに、微生物学と免疫学の練習問題が交互の章にでてきます。練習問題は、基本的な事項の理解や思考力を問うようなものを選んだり作成しました。各章ではまず問題だけが数題でてきますので、それをじっくり考えてください。章の後半で、各問題の解説をしています。解説をよんで、どういう理解を求められているのかを考えながら進んでもらえればよいかと思います。

練習問題だけを解くためのサイトをGoogleフォームで作成し、電子書籍内のリンクから飛べるようにしていくつもりですが、こちらはまだ準備が整っていません。改訂するときに、対応したいと考えています。

とりあえず作った本なので(そんな物をだすなと言われそうですが)、まだ微生物学・免疫学の範囲のうち、まだカバーしていない部分もあります。微生物学と免疫学を交互に配置するのが効果的と当初おもったのですが、もしかして別の本にした方が良いかも知れません。そのあたりも、今後の改訂の課題です。

いずれにせよ、この本を使って、少しでも学習に役立てていただけたらと思っています。作成に使った労力と、今後続けて行くために少し値段がついています。Kindleの読み放題やamazonプライムにようなサービスに加入している人は、無料で読めるようです。

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キンドルを持ってないという人は、こちら。意外と安くて軽くて電池が長持ちで、読みやすいです。

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ちなみに、今回のKindle本は、Kindleダイレクトパプリシング(KDP)というサービスで作成しました。電子書籍を作成するのは初めてだったのですが、原稿さえあれば、以外と簡単に出版できたことに驚きました。

kdp.amazon.co.jp

肝心の原稿については、私の場合はもともと使っていたScrivenerというソフトを使いました。このソフトは有料ですが原稿執筆に大変便利で、ここで作成した原稿はテキストやWord形式はもちろんですが、そのままepub形式で出力することができます。このepubファイルと表紙をつくれば、KDPであっというまに電子書籍になりました(ほんとうにあっという間ではないのですが、思ったよりは簡単に感じました)。

Scrivenerではなくても、Wordやテキスト形式の原稿があれば、KDPで簡単に電子書籍に変換できます。Scrivenerを使ったのは、執筆の便利さです。原稿を細かい部分にわけて順序を簡単に入れ替えたり、最終出力(コンパイル)のときに自動で番号を振ったり、いろいろ便利な機能があります。脚本を書いたりする人も使うらしいです。いずれ、ScrivenerをつかってKindle本を作った方法なども、記事にしてみようかと思います。

↓ちなみに、Scrivenerの使い方でほぼ全面的に参考にした本です。 

考えながら書く人のためのScrivener入門 小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ

考えながら書く人のためのScrivener入門 小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ

 

 

キンドル本の出版の仕方については、こちらを参考にしました。

(今みつからないので、あとでリンクします) 

予想問題 2018年 歯科衛生士国家試験(微生物・免疫学分野)

 2018年3月4日は、第28回歯科衛生士国家試験です。

 

微生物・免疫学分野の出題を予想、というほどではないですがいくつかの可能性をあげたいと思います。今年の出題予想というよりは、いつ出てもおかしくないような、基本事項の確認と思ってください。

↓まず、2017年の予想はこちらでした。たまたま少しだけ、当たりがありました。昨年書いたことは、今年も引き続き当てはまると思ってもらって良いでしょう。

kogumakita.hatenablog.jp

↓実際の2017年の国家試験問題

kogumakita.hatenablog.jp 

 ↓「出題予想」ということで言えば、歯科医師国家試験と歯科衛生士国家試験は、お互いの問題を参考にして出題されている(あるいは同じ先生が出題している?)と思われることがあるので、2017年の歯科医師国家試験だけは見ておきたいと思います。

kogumakita.hatenablog.jp

 

・2017年の歯科医師国家試験から、歯科衛生士でも出そうなテーマを拾います。

 

細菌の細胞壁分解能を有するのはどれか。1つ選べ。

a アミラーゼ

b リゾチーム

c デイフェンシン

d ラクトフェリン

e ペルオキシダーゼ

 

細菌の細胞壁の主な成分は何か、そもそも答えられますか?

ペプチドグリカンです。 

ペグチドグリカンの、N-アセチルグルコサミンNAG とN-アセチルムラミン酸NAMの間の結合を切断する酵素がリゾチームです。粘液、唾液、涙、母乳などに分泌されます。卵白にも多く含まれています。

 

110A9 好中球の貧食活性を高めるのはどれか。1つ選べ。

a IgA

b IgD

c IgE

d IgG

e IgM

 

 食細胞による貪食を促進する効果をオプソニン効果といいます。ギリシャ語でオプソンopsonとは、主食の他のおかずを指すそうです。ふりかけをイメージしたほうがいいかもしれませんが、病原体にオプソニン効果のある成分がかかっていると、食細胞にとって、とっても美味しそうに見えるわけです。補体や、免疫グロブリンではIgGにこの作用があります。実際のところは貪食細胞は、補体レセプターやFcレセプターによって、病原体に張り付いたこれらの成分を認識し、貪食します。

 もうひとつ重要なことは、オプソニン作用を有するものには、IgGの他に、補体があるということです。補体は自然免疫の成分で、抗体のように特定の病原体に対する認識ではありませんが、大まかに細菌に張り付いたりすることができます。実は、2018年の歯科医師国家試験にも、これを問われる問題がでていました。

 

110A14 ABO式血液型検査に用いられる反応はどれか。1つ選べ。

a 凝集反応

b 中和反応

c 沈降反応

d 溶解反応

e 補体結合反応

 

 例えば、A型の赤血球にはA抗原が存在し、B抗原は存在しません。そこに抗A抗体をかけると肉眼で分かる凝集が起こります。抗B抗体では起こりません。これにより血液型を判定します。

 血液型に関する問題は、歯科衛生士ではよくでます。もう一度整理しておいてください。

 

110A17 スタンダードプレコーションで感染性物質として扱わないのはどれか。1つ選ベ。

a 汗

b 涙

c 喀痰

d 唾液

e 鼻汁

  汗以外の全ての体液を対象とします。

 

110A32 ミュータンスレンサ球菌の合成する不溶性グルカンの構成単位はどれか。1つ選べ。

a グルコース

b スクロース

c ガラクトース

d グルコサミン

e フルクトース

 

 グルカンというのは、グルコースの重合体です。繋がり方によって、様々な種類があります。来年はつながり方の問題がでるかも?

 これは単純ですが、いい問題ですね。当然知っておいて欲しいことですが、ちゃんと答えられない人も多いかもしれません。出題されるかもしれません。

 

110A120 血中βーグルカン値が診断に用いられるのはどれか。1つ選べ。

a B型肝炎

b 帯状疱疹

c 深在性真菌症

d MRSA感染症

e 化膿レンサ球菌感染症

 実はこの問題は、何年か前にも歯科医師国家試験し出題された問題です。検査値や診断についての知識がなくても、「考える力」で正解できます。

 β-グルカンといえば、真菌の細胞壁成分です。(細菌の細胞壁はペプチドグリカン)。よって、深在性真菌症のように体内に真菌が感染していると、血中のβ-グルカン値が高くなると考えればよいです。

 

110C16 B型肝炎ウイルスの感染予防に有効な消毒薬はどれか。1つ選べ。

a ポビドンヨード

b 消毒用エタノール

c 塩化ベンザルコニウム

d 次亜塩素酸ナトリウム

e グルコン酸クロルヘキシジン

 B型肝炎ウイルスって、病原体の中でも消毒に対する抵抗性が強い部類のようです。この中でB型肝炎に有効とされるのは、、、? この中で一番作用が強い、次亜塩素酸ナトリウムですね。

 

110C24 院内感染対策で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 外国感染は対象としない。

b 病院スタッフは対象外である。

c 消毒・滅菌は対策の一つである。

d 抗菌薬の使用方法とは無関係である。

e 一般社会環境と同様の対策をとることが望ましい。

 

院内で感染を拡大させないために必要なことは??と考えれば正解できそうです。病院スタッフも対象となります。

eについては、院内には高齢者などの易感染性宿主も居ますので、一般環境と同じという訳にはいかないと考えます。

d 抗菌薬の乱用により、耐性菌が増加・感染拡大する危険があるので、無関係ではありません。

 

110C113 原虫感染症はどれか。1つ選べ。

a オウム病

b 日本紅斑熱

c ハンセン病

d アスペルギルス症

e トキソプラズマ

 

原虫とはなにか?原虫による感染症にはどのようなものがあるか?病原体の分類の基本です。

 

以上、参考にしてください。

試験がんばってください!

 

 

 ↓全然当たりませんでしたが、今年の歯科医師国家試験の予想もしました。

kogumakita.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年 看護師国家試験から

2017年(平成29年)の107回国家試験の問題から、いくつか抜き出します。

 

午前2 平成25年<2013 年>の感染症発生動向調査による年間の性感染症<STD sexually transmitted disease>報告数で

最も多いのはどれか。

1.性器クラミジア感染症 genital chlamydiosis

2.尖圭コンジローマ condyloma acuminatum

3.性器ヘルペス genital herpes

4.淋菌感染症 gonococcal infection

<1>

 

午前21 オートクレーブによる滅菌法はどれか。

1.乾熱滅菌

2.プラズマ滅菌

3.高圧蒸気滅菌

4.酸化エチレンガス滅菌

<3>

 

午前76 人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。

1.Q 熱 Q fever

2.黄熱 yellow fever

3.狂犬病 rabies

4.オウム病 psittacosis

5.重症熱性血小板減少症候群<SFTS>

<2>

 

午前86 麻疹measlesに関して正しいのはどれか。2つ選べ

1.合併症として脳炎がある。

2.感染力は発疹期が最も強い。

3.効果的な抗ウイルス薬がある。

4.2回のワクチン定期接種が行われている。

5.エンテロウイルスの感染によって発症する。

<14>

 

午後10 病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

1.医師で構成される。

2.各病棟に配置される。

3.アウトブレイク時に結成される。

4.感染症に関するサーベイランスを行う。

<4>

 

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午後15 飛沫感染するのはどれか。

1.疥癬 scabies

2.コレラ cholera

3.A 型肝炎 hepatitis A

4.インフルエンザ influenza

<4>

 

午後16 水痘varicellaの症状はどれか。

1.耳下腺の腫脹

2.両頰部のびまん性紅斑

3.水疱へと進行する紅斑

4.解熱前後の斑状丘疹性発疹

<3>

 

午後22 針刺し事故によって感染するのはどれか。

1.RS ウイルス

2.B 型肝炎ウイルス

3.ヘルペスウイルス

4.サイトメガロウイルス

<2>

 

午後43 アレルギー性鼻炎allergic rhinitisについて正しいのはどれか。

1.食後に症状が増悪する。

2.Ⅳ型アレルギーである。

3.スクラッチテストで原因を検索する。

4.アレルゲンの除去は症状の抑制に有効である。

<4>

 

午後89

6% A消毒液を用いて、医療器材の消毒用の0.02 % A消毒液を1,500 mL作るために必要な6% A消毒液の量を求めよ。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

解答: ① .② mL

<5.0>

考え方は、下の記事へ。

 

kogumakita.hatenablog.jp

↓このページの内容に質問等があれば、こちらへどうぞ。

forms.gle

 

 

 

 

2017年 薬剤師国家試験問題から

2017年の第102回 薬剤師国家試験問題から、微生物学・免疫学の基本的な問題を抜き出します。
※は、薬剤師以外の国家試験受験者にも重要と思われる問題である。
※※は、そのなかでも特に重要か、時事問題で出題可能性が高いと思われる問題である。

ちなみに、予想問題はこんな感じでした。

kogumakita.hatenablog.jp

 

 

では、実際の試験問題です。

<必修問題>
※※ 問14 真菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 ミトコンドリアをもたない。
2 エルゴステロールを含む細胞膜をもつ。
3 葉緑体をもつ。
4 細胞壁をもたない。
5 原核生物に分類される。
<ポイント>動物細胞の細胞膜にはリン脂質の他にコレステロールが埋まっており、細胞膜の柔軟性に関わるといわれています。真菌ではエルゴステロールがこの働きをします。抗真菌薬には、エルゴステロールの働きや合成を阻害する種類がありますので、その点でも重要です。次の年以降に、抗真菌薬の問題が出題される伏線の匂いをぷんぷん感じます!
<正解2>

 

問15 初回の免疫により最も早期に分泌される抗体のクラスはどれか。1つ選べ。
1 IgA
2 IgD
3 IgE
4 IgG
5 IgM
<ポイント>基本知識ですね。正解5

 

問18 ブタのレバーを生で食べることにより感染するリスクが最も高いウイルスはどれか。1つ選べ。
1 A型肝炎ウイルス
2 B型肝炎ウイルス
3 C型肝炎ウイルス
4 E型肝炎ウイルス
5 ノロウイルス
<ポイント>肝炎ウイルスのうち、B/C/D型は主に血液感染。AとE型は経口感染。A型は主に魚介類や水からの感染、E型はブタやシカに常在していると考えられ、日本ではこれらの動物との接触や生肉の接種でヒトに感染することがある。

 問19 母子感染する病原体のうち、新生児の心臓奇形と難聴のリスクを高めるのはどれか。1つ選べ。
1 ヒトT 細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)
2 サイトメガロウイルス
3 風しんウイルス
4 トキソプラズマ原虫
5 梅毒トレポネーマ
<ポイント>全て母子感染する可能性のある病原体であるが、問題文の症状は、先天性風疹症候群の症状である。HTLV-1は母乳感染する。梅毒・トキソプラズマ胎盤感染する可能性があり、先天梅毒・先天性トキソプラズマ症の原因となる。CMVは、経胎盤感染や母乳感染することがある。正解3。

 

問64 単純ヘルペスウイルス感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 性器感染の多くは、HSV-1による。
2 免疫機能亢進時に発症する。
3 性器ヘルペスは、性交の翌日に好発する。
4 成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。
5 確定診断は、細胞診により行う。
<ポイント>回帰発症はヘルペスウイルスの特徴である。正解:4

問65 ウイルス性肝炎に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 A型は多くが慢性化しやすい。
2 B型は経口感染である。
3 C型は血液感染である。
4 B型はRNA ウイルスが原因である。
5 C型はDNA ウイルスが原因である。
<ポイント>B/C/D型は血液感染である。

 問86 B型肝炎患者の血液で床が汚染された場合に適用される消毒薬はどれか。1つ選べ。
1 ポビドンヨード
2 次亜塩素酸ナトリウム
3 エタノール
4 クロルヘキシジングルコン酸塩
5 ベンザルコニウム塩化物
<ポイント>基本的な問題である。正解2。

 

<一般問題>
問116 真核細胞におけるmRNA からタンパク質への翻訳過程に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 翻訳過程は、開始、伸長及び終結の3段階の反応により完結する。
2 遺伝子の転写反応が完結する前に、翻訳開始反応が起こる。
3 翻訳開始反応は、mRNA の5’末端側から3’末端側の方向に進行する。
4 リボソームがもつぺプチジルトランスフェラーゼ活性により、ペプチド鎖伸長反応が起こる。
5 アミノアシルtRNA の生成には、ATP のエネルギーを利用してアミノ酸が活
性化される必要がある。
<ポイント>原核生物ではこういうことが起こるが、真核細胞では核内で転写が起こり、mRNAが細胞質へ出てから翻訳が起こるので、同時に起こることはない。正解:2

 

※※ 問118 免疫系における胸腺の役割に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 T細胞の前駆細胞は骨髄で作られた後、胸腺に移動して分化・成熟する。
2 胸腺において、T細胞抗原受容体の遺伝子の再構成が起こる。
3 胸腺は、成人において造血が行われる主要な器官である。
4 胸腺は、二次リンパ器官の一つである。
5 B細胞は主として胸腺で産生され、リンパ節で分化・成熟する。
<ポイント> 3. 成人で造血が主に起こるのは骨髄である。4. 胸腺は骨髄とともに一次リンパ器官である。5. B細胞は骨髄で賛成され、骨髄で分化・成熟する。正解12。

問120 細菌の毒素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素は、宿主細胞のタンパク質合成を阻害する。
2 コレラ毒素は、宿主の神経筋接合部でのアセチルコリンの遊離を抑制し、筋肉の麻痺を引き起こす。
3 ボツリヌス毒素は、宿主細胞内でアデニル酸シクラーゼを活性化し、サイク
リックAMP 濃度の上昇をもたらす。
4 グラム陰性菌の内毒素(エンドトキシン)は、外膜に存在するリポ多糖であ
る。
<14>

問164 抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 バラシクロビルは、アシクロビルに変換された後、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼでリン酸化され、ウイルスDNA の複製を抑制する。
2 リトナビルは、インフルエンザウイルスのNS3-4A プロテアーゼを阻害し、
感染細胞からのウイルスの遊離を抑制する。
3 テラプレビルは、C型肝炎ウイルスのノイラミニダーゼを阻害し、ウイルス
RNA の合成を抑制する。
4 ザナミビルは、HIV のプロテアーゼ活性を阻害し、ウイルス構成タンパク質
の産生を抑制する。
5 ジドブジンは、感染細胞内でリン酸化され、HIV 逆転写酵素を競合的に阻害
する。
<15>

問186 インフルエンザの病態、診断及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
1 インフルエンザウイルスは、A、B、Cの3つの型に分類され、いずれもヒトに感染して典型的なインフルエンザ症状を発症させる。
2 インフルエンザによる死亡率が最も高い年代は、15歳以下の子供である。
3 迅速診断には、鼻腔・咽頭拭い液を用いた酵素免疫測定法が用いられる。
4 インフルエンザを発症した小児の解熱には、アセトアミノフェンは推奨されない。
5 慢性呼吸器疾患などのハイリスク患者にはオセルタミビルの予防内服が認められている。
<35>

※※ 問233 院内感染を予防するために、陰圧個室に患者を収容するなど空気感染対策をとる必要がある感染症はどれか。2つ選べ。
1 水痘
2 結核
3 クロストリジウム・ディフィシル感染症
4 マイコプラズマ感染症
5 ノロウイルス感染症
<ポイント>空気感染する病原体として、水痘・麻疹・結核がある

昨年の予想的中!

 

問234-235 20歳女性。性感染症の薬物治療のため薬局に処方箋を持参した。
※※ 問234(実務)
薬剤師は服薬指導の際、厚生労働省の資料を基に作成したリーフレットを手渡した。下図はリーフレットの一部である。A は、陰部に潰瘍ができたり、リンパ節の腫れ、全身の発疹などの症状を呈する。A にあてはまる感染症はどれか。1つ選べ。

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1 淋菌感染症
2 性器クラミジア感染症
3 性器ヘルペスウイルス感染症
4 尖圭コンジローマ
5 梅毒
<ポイント>近年、若年者での梅毒感染が増加している。時事問題として、各国家試験で頻出である。正解5

 

 問235(衛生) 次の性感染症のうち、感染症発生動向調査において全数把握対象疾患として規定されているのはどれか。1つ選べ。
1 淋菌感染症
2 性器クラミジア感染症
3 性器ヘルペスウイルス感染症
4 尖圭コンジローマ
5 梅毒
<ポイント>全て5類感染症の性行為感染症であるが、全数把握の対象は梅毒である。他4つは、5類感染症の定点把握の対象である。

問236-237 ある病院において、予防接種の頻度が上がり、患者からの薬剤部への問い合わせ件数も増加したため、ワクチンの接種法及び接種時期について確認作業を行った。

問236(実務)
予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 複数のワクチンを同時に接種する場合には、上腕と大腿など穿刺部位を離してから注射する。
2 不活化ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、生ワクチンの接種後に比べ接種間隔を長くあける必要がある。
3 生ワクチンには有効期間が定められているが、不活化ワクチンには定められていない。
4 生ワクチン、不活化ワクチンのいずれの場合も、接種後に副反応が生じることがあるので30分程度様子を見ることが必要である。
<正解14>

 問237(衛生) 予防接種法に基づく定期の予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 高齢者の肺炎球菌感染症予防接種法におけるB類疾病に含まれ、65歳以上になると、肺炎球菌ワクチンは毎年度1回ずつ接種することができる。
2 ポリオ(急性灰白髄炎)のワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに、4種混合ワクチンとして接種される。
3 麻しん・風しん混合ワクチンは、免疫効果が強い生ワクチンなので、生後
12~24ヶ月の間に1回のみ接種される。
4 水痘は予防接種法におけるA類疾病に分類され、そのワクチンとしては弱毒生ワクチンが用いられる。
5 インフルエンザ菌b型(Hib)に対するワクチンは、インフルエンザウイルス
に対しても効果を示す。
<ポイント>5.インフルエンザ菌とインフルエンザウイルスは別物である。正解24。

選択肢2について、予想的中でした!

 

問245(衛生)
感染性廃棄物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 薬剤師は、感染性廃棄物に係る特別管理産業廃棄物管理責任者になることができる。
2 感染性廃棄物は滅菌処理した後も、全て指定された容器に分別しなければならない。
3 感染性産業廃棄物の処理は、指定を受けた契約業者に委託するためマニフェスト制度の対象外である。
4 感染性廃棄物を入れる容器にはバイオハザードマークを付けるか、感染性廃棄物であることを明記する必要がある。
<正解14>

 問301(病態・薬物治療)
HBV が原因のB型肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 HB ワクチンは感染予防には有効ではない。
2 性行為による感染はない。
3 IgMHBc抗体は肝炎の後期に現れる。
4 初感染で自然治癒するのは半数以下である。
5 HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
<5>

2017年 医師国家試験問題から基本的な問題のみ

遅くなりましたが、2017年に行われた第111回医師国家試験から、微生物・免疫学に関する基本的な問題を抜き出しました。参考にしてください。

  

111D10 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出をおこなうのはどれか。

a. 水痘
b. 梅毒
c. 突発性発疹
d. 伝染性紅斑
e .性器ヘルペス
<ポイント>全て5類感染症であるが、全数把握の対象は、梅毒である。他は、指定した医療機関が届出を行う定点把握である。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/syphilis/392-encyclopedia/465-syphilis-info.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html

 

111D14 HTLV-1について正しいのはどれか。2つ選べ。

a. レトロウイルスである。
b. CD8陽性T細胞に感染する
c. 感染経路は母乳がほとんどである。
d. 感染者は日本では東日本地域が多い
e. 感染から成人T細胞白血病の発症までの期間は5年以内である。
<ポイント>HTLV-1は、HIVと同じくレトロウイルス科のウイルスであり、当然RNAゲノムと逆転写酵素を有する点もポイントである。主にCD4陽性T細胞に感染するが、HIVの用にCD4受容体を介して感染するわけではないようである。母乳感染が多い。感染者は西日本に多く、潜伏期間は5年より長い。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/325-htlv-1-gintro.html

 

111E6 ワクチン接種率が向上することで期待されるのはどれか。

a. 感受性人口が増加する
b. 流行のピークが早まる。
c. 罹病期間が長くなる。
d. 潜伏期間が短くなる。
e. 罹患率が低下する。
<e>常識的な問題である。

 

111I4 誤嚥性肺炎の原因微生物として頻度が高いのはどれか。

a. 腸球菌属
b. 放線菌属
c. Candida属
d. 連鎖球菌属
e. Pseudomonas属
<ポイント>正解はd.口腔には連鎖球菌が多く、誤嚥性肺炎の原因となりやすい。高齢者に対する医科と歯科の連携も重要になってくるとされている。

 

111I24 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いられる消毒薬として適切なのはどれか。

a. エタノール
b. ポピドンヨード
c. 塩化ベンザルコニウム
d. 次亜塩素酸ナトリウム
e. グルコン酸クロルヘキシジン
<ポイント>ノロウイルスを指すと考えられる。適切なのは、中水準消毒薬である次亜塩素酸ナトリウムである。

 

111I31 感染経路として経口感染が主である肝炎ウイルスはどれか。2つ選べ。

a. A型
b. B型
c. C型
d. D型
e. E型
<a, e>B,C,D型は血液感染する。

 

以上、他の国家試験にも出題されそうな基本的な問題を取りあげました。

 

第111回 医師国家試験問題解説

第111回 医師国家試験問題解説

 

 

予想問題 2018年 歯科医師国家試験 111回 (微生物・免疫分野)

2018年1月ももうすぐ終わりです。国家試験の季節がやってきました。

まずは、2月4日、5日に111回の歯科医師国家試験があります。

今年から出題形式が少し変更になるということです。

 

昨年、出題予想をしました。結果としては、予想はまったく当たりませんでしたが、引き続き出題される可能性はあるので、参考にしてください。

特に、下の点は今年出てもおかしくないかと思います。

 

  • プリオンについて
  • 免疫グロブリンに関する図を理解して、答える問題
  • 消毒薬の希釈に必要な液量を問う問題
  • ディスク法による薬剤感受性の判定

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実際の2017年、110回の試験問題はこちらです。

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昨年の予想に追加して、次の点に注目しています。内容の理解と共に、日本人がノーベル賞を受賞していますので、人物を問う問題としても出題される可能性があります。

 また、その他、T細胞とB細胞の遺伝子再構成が出題されたことと関連して、以下のような免疫学の基本的な問題が出題されると予想しました。

  

このページでとりあげる問題を、クイズ形式で回答できるページを作りました。時間のある人は、まず力試しに問いてみてください。それから下の解説を読むと、より頭に定着するのではないでしょうか?

やらなくていいよという場合は、そのまま下へ進んでください。

forms.gle

 

では、ここからが予想問題と解説です。

目次

1.昨年出題された問題から派生した予想問題など

細菌の細胞壁合成を阻害する抗菌薬はどれか?2つえらべ。

a. アゾール系
b. ポリエン系
c. β-ラクタム系
d. グリコペプチド系
e. テトラサイクリン系

<ポイント>

110回では、細菌の細胞壁を分解する酵素が問われ、リゾチームを答える問題が出題されました。そこで今年は、細菌細胞壁合成阻害薬が問われると予想します。

a. b. は、抗真菌薬ですね。抗菌薬は、作用機序ごとの分類を頭に入れておくとよいでしょう。抗菌薬のうち、テトラサイクリン系は、リボソームに結合してタンパク質合成を阻害します。β-ラクタム系とグリコペプチド系(例:バンコマイシン)は、ペプチドグリカンの合成を阻害します。

 

 アシクロピルが奏効するのはどれか。1つ選べ。

a. 麻疹
b. C型肝炎
c. 帯状疱疹
d. 感染性胃腸炎
e. 成人T細胞白血病

<ポイント>110回の問題(110A71)から、正解の選択肢を変更した問題です。ヘルペスウイルス科を整理しましょう。ここ数年で、回帰発症が問われたり、突発性発疹が出題されています。他には、サイトメガロウイルスEBウイルスを見ておきましょう。

 

2.T細胞とB細胞の遺伝子再構成に関して

VDJ組換えが起こる遺伝子はどれか?2つえらべ。

a. T細胞受容体

b. Toll様受容体

c. CD4受容体

d. MHCクラスⅠ

e. 免疫グロブリン

 <ポイント>110回で、遺伝子再構成が起こる細胞として、T細胞B細胞を答える問題が出題されました(110C99)。これらの細胞では、どんな抗原が来ても対応できるだけの構造の多様性をもった受容体を持っています。この多様性を生む仕組みがVDJ組み換えによる遺伝子再構成なわけですが、ではそれぞれの細胞で再構成が起こる遺伝子はどれか?という問題を予想します。

答えは、T細胞受容体(TCR)と免疫グロブリン(B細胞受容体)の遺伝子です。

 

免疫グロブリンの遺伝子再構成を証明したのはだれか?

a. 審良静男
b. 大村智
c. 北里柴三郎
d. 利根川進
e. 山中伸弥

<ポイント>では、免疫グロブリンの遺伝子再構成という大発見をしたは誰か、という問題です。1987年にノーベル賞を受賞しています。

 

3.寄生虫感染症に関する問題

寄生虫感染症はどれか。1つ選べ。

a. 梅毒
b. アニサキス
c. インフルエンザ
d. トキソプラズマ
e. 肺アスペルギルス症
f. クロイツフェルト・ヤコブ病

 <ポイント>昨年は、原虫感染症を問う問題が出題されましたので、単純に、次は寄生虫感染症を選ぶ問題が出ると予想します。それぞれの選択肢の原因微生物の種類(細菌・ウイルス・真菌など)はイメージ出来るようがよいでしょう。

ここでは、アニサキス症を正解とします。トキソプラズマは原虫で、「寄生虫」という言葉は広い意味では原虫も含むかもしれませんが、この問題では、狭い意味の寄生虫を聞いています。

「線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見」によりノーベル賞を受賞したのはだれか。

a. 大村智
b. 田中耕一
c. 利根川進
d. 山中伸也
e. 北里柴三郎

 <ポイント>2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞されましたので、時事問題としても出題の可能性ありと予想します。

4.その他

Red complexに含まれる細菌と同じ属の細菌によっておこる感染症は?

a. 梅毒
b. 風疹
c. 猩紅熱
d. ツツガムシ病
e. 口腔カンジダ

<ポイント>まず、Red Complexと呼ばれる、歯周病と関連の深い細菌を理解しているか(最近の研究では、必ずしも正しいかどうかは疑問視される部分もありますが、とりあえず国家試験では覚えておく必要がある)。そして、3つあるその細菌と同じ属名をもつ細菌が原因の感染症はどれか?という問題です。正解は、Treponema pallidumが病原体である感染症なのですが、どれでしょうか?近年、日本でも感染者数が増加しているということで、たびたびニュースになっています。時事問題として出題の可能性があると予想します。

 

 病原体に共通する構造を認識する、「パターン認識レセプター」に含まれるのはどれか?

a. Fc受容体
b. CD4受容体
c. Toll様受容体
d. MHCクラスⅠ
e. MHCクラスⅡ

 <ポイント>T細胞とB細胞での遺伝子再構成といった免疫学の基礎内容が出題されたということから、同様な基礎的問題としての出題を予想します。

 パターン認識レセプター(PRRs; Pattern Recognition Reseptors)は、例えばリポ多糖や鞭毛など、病原体特有の共通した構造を認識する受容体である。なかでも、Toll様受容体(Toll-like receptor; TLR)が代表的である。
 例えば、TLR4が、グラム陰性菌を認識するといった具合である。他にも、細菌の鞭毛やペプチドグリカンや、真菌の細胞壁、ウイルスの二本鎖RNAなど、病原体にしか存在しない構造を認識して、活性化する。

樹状細胞がCD4陽性T細胞に抗原提示するために、貪食した外来ペプチドをのせる分子は?

a. Fc受容体
b. CD4受容体
c. CD8受容体
d. Toll様受容体
e. MHCクラスⅡ

<ポイント>同様に、免疫の基礎的な内容として、樹状細胞による抗原提示を予想します。ヘルパーT細胞などのCD4陽性T細胞は、MHCクラスⅡを発現する細胞から抗原提示を受けます。抗原を載せているのがMHCクラスⅡであり、これがCD4と結合するので、この組合せは決まっています。抗原提示する相手は、上ででてきた、T細胞受容体(TCRです。この遺伝子が再構成をうけることで10の何乗にもなる多様な抗原を認識できるわけです。

 ウイルスに感染した細胞などがCD8陽性T細胞(のTCR)に抗原提示する場合は、MHCクラスⅠ上に抗原を載せます。MHCクラスⅠとCD8が結合するという組合せも決まっているので、抗原提示する相手はCD8陽性T細胞ということになります。

 

以上、今年の予想はいかがだったでしょうか?やや免疫にかたよっていますが、これは、昨年、遺伝子再構成の問題が出題されたところから、ピンと来るものがありました。一問でも、近い問題が出題されるとよいのですが・・。

ドンピシャにあたらなくても、ここで予想した内容を理解していることは、役に立つと思います。

昨年の医師国家試験問題(111回)から

他に、昨年の医師国家試験問題からいくつか参考にしてほしい問題があるので、あげておきます。

医師111D10 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出をおこなうのはどれか。

a. 水痘
b. 梅毒
c. 突発性発疹
d. 伝染性紅斑
e .性器ヘルペス

医師111D14 HTLV-1について正しいのはどれか。2つ選べ。

a. レトロウイルスである。
b. CD8陽性T細胞に感染する
c. 感染経路は母乳がほとんどである。
d. 感染者は日本では東日本地域が多い
e. 感染から成人T細胞白血病の発症までの期間は5年以内である。

 

医師111I4 誤嚥性肺炎の原因微生物として頻度が高いのはどれか。

a. 腸球菌属
b. 放線菌属
c. Candida属
d. 連鎖球菌属
e. Pseudomonas属
 

医師111I24 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いられる消毒薬として適切なのはどれか。

a. エタノール
b. ポピドンヨード
c. 塩化ベンザルコニウム
d. 次亜塩素酸ナトリウム
e. グルコン酸クロルヘキシジン

 

解説は、↓下のページに載せています。

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ここ2年の臨床検査技師国家試験問題から

臨床検査技師国家試験にも、良い問題がちらほらありますので、見ておくと良いでしょう。

臨検 62午前73 結核と同じ感染経路別予防策が必要な疾患はどれか。(2016年)

1.水痘
2.梅毒
3.風疹
4.コレラ
5.デング熱

臨検 62午後68 ウイルスとクラミジアに共通する特徴はどれか。(2016年)

1.二分裂で増殖する。
2.リボソームを有する。
3.抗生物質に感受性がある。
4.光学顕微鏡で観察できる。
5.増殖には生きた細胞が必要である。

↓解説は、こちら

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 臨検63午後68 グラム陽性菌グラム陰性菌に共通する細胞壁の構成成分はどれか。(2017年)

1.タイコ酸
2.リン脂質
3.リポ多糖体
4.ペプチドグリカン
5.(1→3)-β-D-グルカン

臨検63午後79 細胞傷害性T細胞のT細胞レセプターで正しいのはどれか。(2017年)

1.遺伝子の再構成は起きない。
2.MHC クラスⅡ拘束性を持つ。
3.CD4 分子と共同して機能する。
4.抗原提示細胞からの刺激を受ける。
5.α鎖、β 鎖、γ 鎖およびδ 鎖からなる四量体である。

↓解説は、こちら

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2017年 薬剤師国家試験から

問14 真菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 ミトコンドリアをもたない。
2 エルゴステロールを含む細胞膜をもつ。
3 葉緑体をもつ。
4 細胞壁をもたない。
5 原核生物に分類される。

 

問118 免疫系における胸腺の役割に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 T細胞の前駆細胞は骨髄で作られた後、胸腺に移動して分化・成熟する。
2 胸腺において、T細胞抗原受容体の遺伝子の再構成が起こる。
3 胸腺は、成人において造血が行われる主要な器官である。
4 胸腺は、二次リンパ器官の一つである。
5 B細胞は主として胸腺で産生され、リンパ節で分化・成熟する。

 

問233 院内感染を予防するために、陰圧個室に患者を収容するなど空気感染対策をとる必要がある感染症はどれか。2つ選べ。

1 水痘
2 結核
3 クロストリジウム・ディフィシル感染症
4 マイコプラズマ感染症
5 ノロウイルス感染症

 

問234-235 20歳女性。性感染症の薬物治療のため薬局に処方箋を持参した。

問234(実務)
薬剤師は服薬指導の際、厚生労働省の資料を基に作成したリーフレットを手渡した。下図はリーフレットの一部である。A は、陰部に潰瘍ができたり、リンパ節の腫れ、全身の発疹などの症状を呈する。A にあてはまる感染症はどれか。1つ選べ。

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1 淋菌感染症
2 性器クラミジア感染症
3 性器ヘルペスウイルス感染症
4 尖圭コンジローマ
5 梅毒
 

問235(衛生) 次の性感染症のうち、感染症発生動向調査において全数把握対象疾患として規定されているのはどれか。1つ選べ。
1 淋菌感染症
2 性器クラミジア感染症
3 性器ヘルペスウイルス感染症
4 尖圭コンジローマ
5 梅毒

 

↓解説は、こちらで御覧ください。

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歯科医師国家試験問題解説書―解説書/写真集/問題集〈第110回(2018)〉

歯科医師国家試験問題解説書―解説書/写真集/問題集〈第110回(2018)〉

 

 

 

 

 

 

2018年(平成30年)の国家試験日程

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今年も、国家試験の季節になりました。

2018年(平成30年)の国家試験日程を確認します。

(追記:合格発表日も掲載します。正確には、厚労省のサイトを確認してください。)

 

歯科医師国家試験(第111回)

平成30年2月3日(土曜日)、2月4日(日曜日)

合格発表日:3月19日

 

医師国家試験(第112回)

 平成30年2月10日(土曜日)、2月11日(日曜日)

合格発表日:3月19日

 

看護師国家試験(第107回)

 平成30年2月18日(日曜日)

合格発表日:3月26日

 

臨床検査技師国家試験(第64回)

 平成30年2月21日(水曜日)

合格発表日:3月27日

 

薬剤師国家試験(第103回)

平成30年2月24日(土曜日)、2月25日(日曜日)

合格発表日:3月27日

 

歯科衛生士国家試験(第27回)

平成30年3月4日(日曜日)

合格発表日:3月28日

 

全ては手が回っていませんが、いくつかの試験の微生物学・免疫学の予想問題をまた近いうちに載せたいと思います。