医療系国家試験の微生物・免疫学分野の出題傾向を分析する

医師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・看護師・歯科衛生士などの国家試験から生物・微生物・免疫学の問題を集めて受験生に役立ててほしいという趣旨です。出題傾向の分析や予想もしていきたいです。

予想問題 歯科医師国家試験 110回 2017年(微生物・免疫分野)

2017年の歯科医師国家試験は、2月4,5日に実施されます。

 

直前になりましたが、微生物・免疫学分野の予想問題を載せます。

過去の歯科医師国家試験、他の国家試験問題を参考にしています。

 

全範囲を網羅していませんが、出そうだな~と思うのは、以下のポイントです。

  • プリオンについて
  • 免疫グロブリンに関する図を理解して、答える問題
  • 消毒薬の希釈に必要な液量を問う問題
  • ディスク法による薬剤感受性の判定
  • 感染症の流行時期を問う問題
  • インフェクションコントロールチーム(ICT)について

 

プリオンについて

2016年には、各国家試験で、プリオンに関する出題が見られました。歯科でも出題されると予想します。

 

看護師国家試験(2016年)

31  感染性因子とその構成成分の組合せで正しいのはどれか。

1. 細菌 ―――― 核膜

2. 真菌 ―――― 細胞壁

3. プリオン ―――― 核酸

4. ウイルス ―――― 細胞膜

 (病原体の大まかな分類と、それぞれの生物学的な特徴が理解できているかを問う、重要な基本問題です。)

 

臨床検査技師国家試験 2016年

77 プリオンの構成要素はどれか。

1.RNA

2.蛋白質

3.リポ多糖体

4.プラスミド

5.バクテリオファージ

 

歯科衛生士国家試験 2016年

(午前13)プリオンの本体はどれか

1. DNA
2. RNA

3. 糖質
4. タンパク質

、、ということで、プリオンの正体はタンパク質であるということをおさえておけば、問題なく答えられるはずです

 

免疫グロブリンに関する図を理解して、答える問題。

2016年の歯科衛生士国家試験に良い問題がありました。

歯科衛生士国家試験 2016年

(午前12)免疫グロブリンの図を示す。この免疫グロブリンの特徴はどれか。

 f:id:kogumakita:20160609154418p:plain

  1. 胎盤通過性がある。
  2. 抗原感作後に最も早く出現する。
  3. 免疫グロブリンの中で血清中に最も多い。
  4. アナフィラキシーショック型アレルギーの原因となる。

この問題は、二段階に読み解く必要があります。

まず図から、

・これは免疫グロブリンの五量体である。

  ↓

・五量体をつくるのはIgMである。

  ↓

IgMの機能として、選択肢の中で正しいのはどれか?

という順で思考する必要があります。答えは自ずと、「2」になりますね。

単純ですが、二段階に関連付けて答える必要がある、良問です。

単発の知識ではなく、考える力が問われます。

 

※これをもとにした予想問題を作ってみます。

図:(想像してください)Y字型の免疫グロブリンが2つつながった絵

この免疫グロブリンの特徴はどれか。

  1. 胎盤通過性がある。
  2. 抗原感作後に最も早く出現する。
  3. 免疫グロブリンの中で唾液中に最も多い。
  4. アナフィラキシーショック型アレルギーの原因となる。

これだとどうですか??

ヒント:二量体をつくる免疫グロブリンは??

 

次に、

臨床検査技師国家試験 2016年

80 次の模式図においてIgG濃度の変化を示すのはどれか。

f:id:kogumakita:20160622175847p:plain

 

1.① 2.② 3.③ 4.④ 5.⑤

ポイントは、IgGは胎盤通過性がある、ということです。言葉では覚えているけど、それをグラフで表現するとどうなりますか??

単純なことが問われているが、グラフを読み取って考える必要がある良問です。ちなみに、看護師国家試験で数年前に似た問題がでていました。それを焼き直した問題といえます。

 

最後に、

消毒薬の希釈に必要な液量を問う問題

3倍希釈の麺つゆを薄めたりすることがあると思うので、考えれば分かりそうなものですが、なかなか最近の大学生に聞いても正解できない人が多いです。昨年歯科衛生士国家試験でも出題されたので、今年は歯科医師国家試験にでそうです。

昨年は、円周率を用いた小中学生でもできそうな計算問題が出題されましたが、正解率が悪かったようで、「問題としては適切だが、必修問題としては適切ではない」というような理由で、削除になりました。社会人として常識レベルの計算問題だと思ったのですが、、。ということで、希釈の計算問題がでるとすると、削除を避けるために一般問題としてでると、勝手に予想します。

 

歯科衛生士国家試験(2016年)

(午後97)床やスピットンに散った血液の消毒に6%次亜塩素酸ナトリウム液を希釈して0.5%液を600mL作ることにした。 

 6%次亜塩素酸ナトリウム液は何mL必要か。

  1. 25 mL
  2. 50 mL
  3. 75 mL
  4. 100 mL

看護師国家試験(2015年)

90. 5 %のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて 0.2 %希釈液 2,000 mL をつくる

のに必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。

解答:①②mL

<計算問題:2桁の数字をマークシートで答える問題です>

 

解説は、下の記事を参照してください。

kogumakita.hatenablog.jp

 

ディスク法による薬剤感受性の判定

歯科衛生士国家試験 2015年  

薬剤感受性試験の拡散法〈感受性ディスク法〉の写真を別に示す。矢印で示した黒丸は薬剤を含んだディスクである。

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  最も効果のあるのはどれか。

a ①  b ②  c ③  d ④

 単純な問題ですが、ちゃんと答えられますか?衛生士国家試験問題が数年後に歯科医師国家試験に出題されることもありますので、要チェックです。

 この問題を少し変えたパターンとしては、細菌を塗った培地に抗菌薬と抗真菌薬のディスクを置いたときにどうなるかとか、真菌を塗った培地に抗菌薬と抗真菌薬のディスクを置くとどうなるか、など出題してみたいですね。

 

感染症の流行時期を問う問題

たしか2016年の医師国家試験の問題で、おもしろい問題がありました。詳しくはリンクをご覧ください。これも初めて見ると戸惑うかもしれませんが、考えると一般常識で答えられる問題です。

kogumakita.hatenablog.jp今年歯科医師国家試験で似た問題が出ないともかぎりません。

 

インフェクションコントロールチーム(ICT)について

2016年の医師国家試験に出題がありました。歯科医師国家試験の出題範囲にも含まれているので、知っておきたいところです。

医師国家試験 2016年

110C11.

院内感染対策チーム<ICT>で正しいのはどれか。

a 薬剤師はチームに入らない。

b 専従医師の配置が必須である。

c 感染患者の治療に強制介入する。

d 院内の感染症サーベイランスを行う。

e 感染症アウトブレイクに際して結成される。

kogumakita.hatenablog.jp

 

 

あと、標準予防策(スタンダードプレコーション)についても要チェック

 

 

 どうでしょうか?どれか1つでも実際に出題されて、受験生の役に立てればうれしいです。試験がんばってください!