消毒薬の希釈率を問う問題
消毒薬の希釈を間違えると、患者さんに害を与える可能性があります。訴訟につながったこともあると聞きます。(物騒ですが、病院で消毒薬による殺人が疑われた事件もありましたね。)
消毒薬を正しく希釈することは、とても重要です。計算は簡単です。しかし、大学生でもなかなかこの計算ができない人もいます。しっかり身につけてほしいです。
まず、実際に出題された例題です。
第25回 歯科衛生士国家試験(2016年)から
(午後97)床やスピットンに散った血液の消毒に6%次亜塩素酸ナトリウム液を希釈して0.5%液を600mL作ることにした。
6%次亜塩素酸ナトリウム液は何mL必要か。
- 25 mL
- 50 mL
- 75 mL
- 100 mL
まず、6%を0.5%に希釈するには、何倍に希釈するか?
600mlに、その希釈率をかける(割る)と、答えがでます。
6割る0.5は、12です。12倍希釈します。
600 ml の12分の1は、600 ml / 12 = 50 ml が答えです。
続きまして、
104回 看護師国家試験(2015年)から
90.
5 %のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて 0.2 %希釈液 2,000 mL をつくるのに必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。
解答:①②mL
<計算問題:2桁の数字をマークシートで答える問題です>
これも、考え方は上の問題と同じです。まず、5%の原液から0.2%への希釈率は、5 / 0.2 = 25倍です。つまり、最終的に必要な液量に対して、原液が25分の1入っていればよいことになります。(希釈するのに用いる水の量は、25分の24ということになります。)
ですので、2000 ml / 25 = 80 ml が答えとなります。
分からない人は、そうめんつゆの希釈を思い浮かべてください。3倍濃縮のつゆ原液を使って、300 mlのそうめんつゆを作るには、どうしますか?
3倍濃縮ということは、全量の3分の1が原液であればよいことになります。つまり、300 ml / 3 = 100 ml の原液を使います。
水の量は、300 - 100 = 200 mlです。300ml に 3分の2(1ひく 3分の1)をかけても、200 ml と求められます。)
濃縮ということは、全量の3分の1が原液であればよいことになります。つまり、300 ml / 3 = 100 ml の原液を使います。
水の量は、300 - 100 = 200 mlです。300ml に 3分の2(1ひく 3分の1)をかけても、200 ml と求められます。)
※ 2017年の看護師国家試験にも出ていました。看護師では定番のようですね。他の国家試験でも、これからこの手の問題は増える気がします。
106回 看護師国家試験(2017年)から
6% A消毒液を用いて、医療器材の消毒用の0.02 % A消毒液を1,500 mL作るために必要な6% A消毒液の量を求めよ。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。解答:①.②mL
※このページを多くの人に閲覧していただいているようですので、アンケートを作りました。よろしければ、お答えください。
アンケートの最後に、上の問題を含む練習問題(3問)がついています。
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