医療系国家試験の微生物・免疫学分野の出題傾向を分析する

医師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・看護師・歯科衛生士などの国家試験から生物・微生物・免疫学の問題を集めて受験生に役立ててほしいという趣旨です。出題傾向の分析や予想もしていきたいです。

2017年 医師国家試験問題から基本的な問題のみ

遅くなりましたが、2017年に行われた第111回医師国家試験から、微生物・免疫学に関する基本的な問題を抜き出しました。参考にしてください。

  

111D10 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出をおこなうのはどれか。

a. 水痘
b. 梅毒
c. 突発性発疹
d. 伝染性紅斑
e .性器ヘルペス
<ポイント>全て5類感染症であるが、全数把握の対象は、梅毒である。他は、指定した医療機関が届出を行う定点把握である。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/syphilis/392-encyclopedia/465-syphilis-info.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html

 

111D14 HTLV-1について正しいのはどれか。2つ選べ。

a. レトロウイルスである。
b. CD8陽性T細胞に感染する
c. 感染経路は母乳がほとんどである。
d. 感染者は日本では東日本地域が多い
e. 感染から成人T細胞白血病の発症までの期間は5年以内である。
<ポイント>HTLV-1は、HIVと同じくレトロウイルス科のウイルスであり、当然RNAゲノムと逆転写酵素を有する点もポイントである。主にCD4陽性T細胞に感染するが、HIVの用にCD4受容体を介して感染するわけではないようである。母乳感染が多い。感染者は西日本に多く、潜伏期間は5年より長い。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/325-htlv-1-gintro.html

 

111E6 ワクチン接種率が向上することで期待されるのはどれか。

a. 感受性人口が増加する
b. 流行のピークが早まる。
c. 罹病期間が長くなる。
d. 潜伏期間が短くなる。
e. 罹患率が低下する。
<e>常識的な問題である。

 

111I4 誤嚥性肺炎の原因微生物として頻度が高いのはどれか。

a. 腸球菌属
b. 放線菌属
c. Candida属
d. 連鎖球菌属
e. Pseudomonas属
<ポイント>正解はd.口腔には連鎖球菌が多く、誤嚥性肺炎の原因となりやすい。高齢者に対する医科と歯科の連携も重要になってくるとされている。

 

111I24 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いられる消毒薬として適切なのはどれか。

a. エタノール
b. ポピドンヨード
c. 塩化ベンザルコニウム
d. 次亜塩素酸ナトリウム
e. グルコン酸クロルヘキシジン
<ポイント>ノロウイルスを指すと考えられる。適切なのは、中水準消毒薬である次亜塩素酸ナトリウムである。

 

111I31 感染経路として経口感染が主である肝炎ウイルスはどれか。2つ選べ。

a. A型
b. B型
c. C型
d. D型
e. E型
<a, e>B,C,D型は血液感染する。

 

以上、他の国家試験にも出題されそうな基本的な問題を取りあげました。

 

第111回 医師国家試験問題解説

第111回 医師国家試験問題解説