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医療系国家試験の微生物・免疫学分野の出題傾向を分析する

医師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・看護師・歯科衛生士などの国家試験から生物・微生物・免疫学の問題を集めて受験生に役立ててほしいという趣旨です。出題傾向の分析や予想もしていきたいです。

2016年 歯科医師国家試験から

2016年の歯科医師国家試験(109回)から、生物学・微生物学・免疫学の問題を抜き出してみます。歯科特有の問題もありますが、いくつかそのまま載せます。

 

<ポイント>

一般的な微生物学の問題としては、

  • HIV・AIDS関連の問題が2問。
  • 標準予防策に関する出題あり。

問題としては、単純な知識を問う問題がまだ多いかなという気がしますが、今後、考える問題は増加する予定だそうです。

 

(109A12) 歯肉縁上プラークを構成する細菌で最も多いのはどれか。1つ選べ。

a. 通性嫌気性グラム陰性桿菌
b. 通性嫌気性グラム陽性球菌
c. 偏性嫌気性グラム陰性桿菌
d. 偏性嫌気性グラム陽性桿菌
e. 偏性嫌気性グラム陽性球菌

(口腔細菌の頻出問題)

 

(109A16) B型肝炎ワクチン接種終了6か月後の免疫獲得の血中指標はどれか。1つ選べ。

  1. HBc抗体価
  2. HBe抗原量
  3. HBe抗体価
  4. HBs抗原量
  5. HBs抗体価

(なぜか?歯科医師と歯科衛生士の国家試験で最近よく出題される、B型肝炎ウイルスの血中指標に関する問題です。)

 

(109A67) 微生物と検査法の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 好酸菌                             - Giemsa染色
  2. チフス菌                          - Weil-Felix反応
  3. ジフテリア菌                   - ASO試験
  4. 黄色ブドウ球菌               - コアグラーゼ試験
  5. 梅毒トレポネーマ            - Zeil – Neelsen 染色

 

(109A96) ヒト同種移植時における拒絶反応の際に抗原となるのはどれか。1つ選べ。

  1. CD4分子
  2. CD8分子
  3. Fc受容体
  4. Toll様受容体
  5. MHCクラスⅠ分子

(基本事項)

 

(109A 110) 細菌と病原因子の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. Lactobacillus casei -リポ多糖
  2. Actinomyces israelii - ロイコトキシン
  3. Staphylococcus aureus - エンテロトキシン
  4. Fusobacterium nucleatum - スーパー抗原
  5. Porphyromonas gingivalis - ジンジパイン

(主に口腔の細菌を題材としています。基本的な知識問題です。)

 

(109A118) 突発性発疹の病原体はどれか。1つ選べ。

  1. EBウイルス
  2. 水痘・帯状疱疹ウイルス
  3. ヒトサイトメガロウイルス
  4. 単純ヘルペスウイルス1型
  5. ヒトヘルペスウイルス6型

 

(109C4) CD4 陽性T細胞の減少を引き起こすのはどれか。1つ選べ。

  1. HIV
  2. HBV
  3. 麻疹ウイルス
  4. ポリオウイルス
  5. インフルエンザウイルス

(超超基本問題です!)

 

(109C15) ヘルパンギーナの病原体はどれか。1つ選べ。

  1. アデノウイルス
  2. 黄色ブドウ球菌
  3. 化膿レンサ球菌
  4. コクサッキーウイルス
  5. 単純ヘルペスウイルス

 

(109C16) スタンダードプレコーションで誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 全ての患者に適用される。
  2. 米国CDCが提唱したものである。
  3. 再使用する器具は洗浄・滅菌をする。
  4. 傷のある皮膚を扱う際にも適用される。
  5. 特定の病原体ごとに決められた予防策である。

(標準予防策に関する問題です。各国家試験で頻出ですので、どこかでまとめます。)

 

(109C33) 赤痢菌の発見者はどれか。1つ選べ。

  1. 北里柴三郎
  2. 志賀潔
  3. 鈴木梅太郎
  4. 野口英世
  5. 秦佐八郎

 

(109C34) 小川培地を用いて分離培養できるのはどれか。1つ選べ。

  1. 好酸菌
  2. ブドウ球菌
  3. レンサ球菌
  4. サルモネラ菌
  5. マイコプラズマ

 

(109C46) 回帰発症によるものはどれか。1つ選べ。

  1. 水痘
  2. 手足口病
  3. 口唇ヘルペス
  4. 流行性耳下腺炎
  5. ヘルパンギーナ

 (即答できる問題ですが、気づかないほどのひっかけ要素も入っています。)

 <「回帰発症」というのはヘルペスウイルス感染症の特徴で、一度かかったあとに潜伏していたウイルスが、免疫低下時などに増殖して再び発症します。単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスや、水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹などがこの回帰発症にあたります。よって、答えは3.。

 1.水痘は違うの??と思った人はするどいです。水痘・帯状疱疹ウイルスというのはひとつのウイルスなのですが、初感染では水痘の症状を起こし、潜伏後の回帰発症で帯状疱疹を起こします。なので、水痘は回帰発症には当たらないという考え方が必要です。「帯状疱疹」が選択肢にあれば、これも正解になるはずです。>

 

(109C48) 運動性を有するのはどれか。2つ選べ。

  1. Tannerella forthisia
  2. Actinomyces viscosus
  3. Campylobacter rectus
  4. Treponema denticola
  5. Fusobacterium nucleatum

(口腔のらせん菌)

 

(109C81) 胚性幹細胞<ES細胞>を作製できるのはどれか。1つ選べ。

  1. 栄養膜
  2. 神経管
  3. 体細胞
  4. 原始結節
  5. 内細胞塊

(生物学・再生医療の領域でしょうか)

 

(109C89) 成熟プラークで表層部と比べた深層部の特徴はどれか。2つ選べ。

  1. pHが高い。
  2. 緩衝能が高い。
  3. 代謝産物が多い。
  4. 嫌気性菌が少ない。
  5. 酸化還元電位が低い。

(口腔のバイオフィルムであるプラークについての問題)

 

(109C100) ウイルスと疾患の組合せで正しいのはどれか。すべて選べ。

  1. ロタウイルス - プール熱
  2. ノロウイルス - 感染性胃腸炎
  3. ポリオウイルス - 急性灰白髄炎
  4. アデノウイルス - 伝染性単核球症
  5. ヒトパピローマウイルス - 子宮頸癌

 

(109C118) 急性壊死性潰瘍性歯肉炎が発症しやすいのはどれか。1つ選べ。

  1. AIDS
  2. 風疹
  3. 麻疹
  4. 帯状疱疹
  5. ウイルス性肝炎

(問題文のANUGは、口腔スピロヘータやFusobacterium(紡錘菌)、Prevotellaが主な原因と言われる、日和見感染症です。ということは答えは、、、。次の臨床系の問題にも関係しています。)

 

(109D48)

8歳の男児。歯肉の腫脹を主訴として来院した。2日前から歯肉の激しい痛み、倦怠感および発熱があり、食事時には出血を伴うという。プラーク中の細菌検査では、スピロヘータと紡錘桿菌が多数検出された。初診時の口腔内写真とエックス線写真を別に示す。疑われるのはどれか。1つ選べ。

a 急性歯周膿瘍

b 侵襲性歯周炎

c 剝離性歯肉炎

d 薬物性歯肉増殖症

e 壊死性潰瘍性歯肉炎