医療系国家試験:微生物・免疫学分野の過去問を分析する

医師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・看護師・歯科衛生士などの国家試験から生物・微生物・免疫学の問題を集めて受験生に役立ててほしいという趣旨です。

2015年 看護師国家試験問題から

2015年の看護師国家試験(第104回)から、生物・微生物・免疫学分野の問題をみてみましょう。

 

 看護師国家試験の問題をじっくりみたのは初めてだったのですが、このブログでとりあげる他の医療系国家試験と比べると、生物・微生物分野の問題は非常に基本的で易しい問題が多いという印象を受けました。(午前82のやや専門的な白血球減少症の問題以外)。

 生物・微生物・免疫系の問題の難易度は、私のぱっと見た印象では、、

”医師>薬剤師=歯科医師>歯科衛生士>看護師”

って感じでしょうか??全ての問題をよく見ていないので違うかもしれませんが、なんとなくこんな印象です。薬剤師は歯科医師は同等かやや難しく、問題数も多いようです。ただし、問題の難易度と、合格のしやすさはまた別でしょう。歯科医師国家試験の合格率は、ずいぶん低いですからね・・。

 

<ポイント>

  •  消毒薬の希釈の問題(午後90)。これは他の国試でも出てもおかしくないし、出して欲しいですね。医療系大学生でもちゃんと計算できない人が結構います。
  • ここで出題されている基本的な生命科学の問題は、他の国家試験受験生も全問正解しなければいけないでしょう。(午前76と午後82を除く)

 

午前

10. 免疫機能に関与する細胞はどれか。

1.血小板

2.白血球

3.網赤血球

4.成熟赤血球

 

21. 生理食塩水の塩化ナトリウム濃度はどれか。

1. 0.9 %

2. 5 %

3. 9 %

4.15 %

 

76. 平成 24 年(2012 年)の国連エイズ合同計画〈UNAIDS〉の報告において、ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉陽性者が最も多い地域はどれか。

1.東アジア

2.北アメリカ

3.オセアニア

4.サハラ以南のアフリカ

 

77. タンパク合成が行われる細胞内小器官はどれか。

1.核

2.リボソーム

3.リソソーム

4.ミトコンドリア

5.Golgi〈ゴルジ〉装置

 

午後

3. 食中毒の原因となるのはどれか。

1.セラチア

2.カンジダ

3.サルモネラ

4.クラミジア

 

27. 蛋白質で正しいのはどれか。

1.アミノ酸で構成される。

2.唾液により分解される。

3.摂取するとそのままの形で体内に吸収される。

4.生体を構成する成分で最も多くの重量を占める。

 

31. ヒト免疫不全ウイルス〈HIV感染症で正しいのはどれか。

1.経皮感染する。

2.無症候期がある。

3.DNA ウイルスによる。

4.血液中の B 細胞に感染する

 

82. 白血球減少症で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.好塩基球数は増加する。

2.EB ウイルス感染によって起こる。

3.白血球数が 3,000/nL 以下をいう。

4.好中球減少症では細菌に感染しやすくなる。

5.無顆粒球症は単球がなくなった病態をい

 

90. 5 %のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて 0.2 %希釈液 2,000 mL をつくる

のに必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。

解答:①②mL

<計算問題:2桁の数字をマークシートで答える問題です>

 

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