医療系国家試験の微生物・免疫学分野の出題傾向を分析する

医師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・看護師・歯科衛生士などの国家試験から生物・微生物・免疫学の問題を集めて受験生に役立ててほしいという趣旨です。出題傾向の分析や予想もしていきたいです。

2017年 医師国家試験問題から基本的な問題のみ

遅くなりましたが、2017年に行われた第111回医師国家試験から、微生物・免疫学に関する基本的な問題を抜き出しました。参考にしてください。

  

111D10 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出をおこなうのはどれか。

a. 水痘
b. 梅毒
c. 突発性発疹
d. 伝染性紅斑
e .性器ヘルペス
<ポイント>全て5類感染症であるが、全数把握の対象は、梅毒である。他は、指定した医療機関が届出を行う定点把握である。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/syphilis/392-encyclopedia/465-syphilis-info.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html

 

111D14 HTLV-1について正しいのはどれか。2つ選べ。

a. レトロウイルスである。
b. CD8陽性T細胞に感染する
c. 感染経路は母乳がほとんどである。
d. 感染者は日本では東日本地域が多い
e. 感染から成人T細胞白血病の発症までの期間は5年以内である。
<ポイント>HTLV-1は、HIVと同じくレトロウイルス科のウイルスであり、当然RNAゲノムと逆転写酵素を有する点もポイントである。主にCD4陽性T細胞に感染するが、HIVの用にCD4受容体を介して感染するわけではないようである。母乳感染が多い。感染者は西日本に多く、潜伏期間は5年より長い。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/325-htlv-1-gintro.html

 

111E6 ワクチン接種率が向上することで期待されるのはどれか。

a. 感受性人口が増加する
b. 流行のピークが早まる。
c. 罹病期間が長くなる。
d. 潜伏期間が短くなる。
e. 罹患率が低下する。
<e>常識的な問題である。

 

111I4 誤嚥性肺炎の原因微生物として頻度が高いのはどれか。

a. 腸球菌属
b. 放線菌属
c. Candida属
d. 連鎖球菌属
e. Pseudomonas属
<ポイント>正解はd.口腔には連鎖球菌が多く、誤嚥性肺炎の原因となりやすい。高齢者に対する医科と歯科の連携も重要になってくるとされている。

 

111I24 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いられる消毒薬として適切なのはどれか。

a. エタノール
b. ポピドンヨード
c. 塩化ベンザルコニウム
d. 次亜塩素酸ナトリウム
e. グルコン酸クロルヘキシジン
<ポイント>ノロウイルスを指すと考えられる。適切なのは、中水準消毒薬である次亜塩素酸ナトリウムである。

 

111I31 感染経路として経口感染が主である肝炎ウイルスはどれか。2つ選べ。

a. A型
b. B型
c. C型
d. D型
e. E型
<a, e>B,C,D型は血液感染する。

 

以上、他の国家試験にも出題されそうな基本的な問題を取りあげました。

 

第111回 医師国家試験問題解説

第111回 医師国家試験問題解説

 

 

予想問題 歯科医師国家試験 111回 2018年(微生物・免疫分野)

2018年1月ももうすぐ終わりです。国家試験の季節がやってきました。

まずは、2月4日、5日に111回の歯科医師国家試験があります。

今年から出題形式が少し変更になるということです。

 

昨年、出題予想をしました。結果としては、予想はまったく当たりませんでしたが、引き続き出題される可能性はあるので、参考にしてください。

特に、下の点は今年出てもおかしくないかと思います。

 

  • プリオンについて
  • 免疫グロブリンに関する図を理解して、答える問題
  • 消毒薬の希釈に必要な液量を問う問題
  • ディスク法による薬剤感受性の判定

kogumakita.hatenablog.jp 

実際の2017年、110回の試験問題はこちらです。

kogumakita.hatenablog.jp

昨年の予想に追加して、次の点に注目しています。内容の理解と共に、日本人がノーベル賞を受賞していますので、人物を問う問題としても出題される可能性があります。

 また、その他、T細胞とB細胞の遺伝子再構成が出題されたことと関連して、以下のような免疫学の基本的な問題が出題されると予想しました。

  

では、ここからが予想問題です。

1.昨年出題されて問題から派生した予想問題など

細菌の細胞壁合成を阻害する抗菌薬はどれか?2つえらべ。

a. アゾール系
b. ポリエン系
c. β-ラクタム系
d. グリコペプチド系
e. テトラサイクリン系

<ポイント>

110回では、細菌の細胞壁を分解する酵素が問われ、リゾチームを答える問題が出題されました。そこで今年は、細菌細胞壁合成阻害薬が問われると予想します。

a. b. は、抗真菌薬ですね。抗菌薬は、作用機序ごとの分類を頭に入れておくとよいでしょう。

 

 アシクロピルが奏効するのはどれか。1つ選べ。

a. 麻疹
b. C型肝炎
c. 帯状疱疹
d. 感染性胃腸炎
e. 成人T細胞白血病

<ポイント>110回の問題(110A71)から、正解の選択肢を変更した問題です。ヘルペスウイルス科を整理しましょう。ここ数年で、回帰発症が問われたり、突発性発疹が出題されています。他には、サイトメガロウイルスEBウイルスを見ておきましょう。

 

2.T細胞とB細胞の遺伝子再構成に関して

VDJ組換えが起こる遺伝子はどれか?2つえらべ。

a. T細胞受容体

b. Toll様受容体

c. CD4受容体

d. MHCクラスⅠ

e. 免疫グロブリン

 <ポイント>110回で、遺伝子再構成が起こる細胞として、T細胞B細胞を答える問題が出題されました(110C99)。これらの細胞では、どんな抗原が来ても対応できるだけの構造の多様性をもった受容体を持っています。この多様性を生む仕組みがVDJ組み換えによる遺伝子再構成なわけですが、ではそれぞれの細胞で再構成が起こる遺伝子はどれか?という問題を予想します。

答えは、T細胞受容体(TCR)と免疫グロブリン(B細胞受容体)の遺伝子です。

 

免疫グロブリンの遺伝子再構成を証明したのはだれか?

a. 審良静男
b. 大村智
c. 北里柴三郎
d. 利根川進
e. 山中伸弥

<ポイント>では、免疫グロブリンの遺伝子再構成という大発見をしたは誰か、という問題です。1987年にノーベル賞を受賞しています。

 

3.寄生虫感染症に関する問題

寄生虫感染症はどれか。1つ選べ。

a. 梅毒
b. アニサキス
c. インフルエンザ
d. トキソプラズマ
e. 肺アスペルギルス症
f. クロイツフェルト・ヤコブ病

 <ポイント>昨年は、原虫感染症を問う問題が出題されましたので、単純に、次は寄生虫感染症を選ぶ問題が出ると予想します。それぞれの選択肢の原因微生物の種類(細菌・ウイルス・真菌など)はイメージ出来るようがよいでしょう。

「線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見」によりノーベル賞を受賞したのはだれか。

a. 大村智
b. 田中耕一
c. 利根川進
d. 山中伸也
e. 北里柴三郎

 <ポイント>2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞されましたので、時事問題としても出題の可能性ありと予想します。

4.その他

Red complexに含まれる細菌と同じ属の細菌によっておこる感染症は?

a. 梅毒
b. 風疹
c. 猩紅熱
d. ツツガムシ病
e. 口腔カンジダ

<ポイント>まず、Red Complexと呼ばれる、歯周病と関連の深い細菌を理解しているか(最近の研究では、必ずしも正しいかどうかは疑問視される部分もありますが、とりあえず国家試験では覚えておく必要がある)。そして、3つあるその細菌と同じ属名をもつ細菌が原因の感染症はどれか?という問題です。正解は、Treponema pallidumが病原体である感染症なのですが、どれでしょうか?近年、日本でも感染者数が増加しているということで、たびたびニュースになっています。時事問題として出題の可能性があると予想します。

 

 病原体に共通する構造を認識する、「パターン認識レセプター」に含まれるのはどれか?

a. Fc受容体
b. CD4受容体
c. Toll様受容体
d. MHCクラスⅠ
e. MHCクラスⅡ

 <ポイント>T細胞とB細胞での遺伝子再構成といった免疫学の基礎内容が出題されたということから、同様な基礎的問題としての出題を予想します。

パターン認識レセプター(PRRs; Pattern Recognition Reseptors)は、例えばリポ多糖や鞭毛など、病原体特有の繰り返し構造を認識する。

樹状細胞がCD4陽性T細胞に抗原提示するために、貪食した外来ペプチドをのせる分子は?

a. Fc受容体
b. CD4受容体
c. CD8受容体
d. Toll様受容体
e. MHCクラスⅡ

<ポイント>同様に、免疫の基礎的な内容として、樹状細胞による抗原提示を予想します。ヘルパーT細胞などのCD4陽性T細胞は、MHCクラスⅡを発現する細胞から抗原提示を受けます。抗原を載せているのがMHCクラスⅡであり、これがCD4と結合するので、この組合せは決まっています。抗原提示する相手は、上ででてきた、T細胞受容体(TCRです。この遺伝子が再構成をうけることで10の何乗にもなる多様な抗原を認識できるわけです。

 ウイルスに感染した細胞などがCD8陽性T細胞(のTCR)に抗原提示する場合は、MHCクラスⅠ上に抗原を載せます。MHCクラスⅠとCD8が結合するという組合せも決まっているので、抗原提示する相手はCD8陽性T細胞ということになります。

 

以上、今年の予想はいかがだったでしょうか?やや免疫にかたよっていますが、これは、昨年、遺伝子再構成の問題が出題されたところから、ピンと来るものがありました。一問でも、近い問題が出題されるとよいのですが・・。

ドンピシャにあたらなくても、ここで予想した内容を理解していることは、役に立つと思います。

 

このページにあげた問題を、クイズ形式で回答できるページを作りました。よかったら使ってみてください。

jp.surveymonkey.com

昨年の医師国家試験問題(111回)から

他に、昨年の医師国家試験問題からいくつか参考にしてほしい問題があるので、あげておきます。

医師111D10 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出をおこなうのはどれか。

a. 水痘
b. 梅毒
c. 突発性発疹
d. 伝染性紅斑
e .性器ヘルペス

医師111D14 HTLV-1について正しいのはどれか。2つ選べ。

a. レトロウイルスである。
b. CD8陽性T細胞に感染する
c. 感染経路は母乳がほとんどである。
d. 感染者は日本では東日本地域が多い
e. 感染から成人T細胞白血病の発症までの期間は5年以内である。

 

医師111I4 誤嚥性肺炎の原因微生物として頻度が高いのはどれか。

a. 腸球菌属
b. 放線菌属
c. Candida属
d. 連鎖球菌属
e. Pseudomonas属
 

医師111I24 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いられる消毒薬として適切なのはどれか。

a. エタノール
b. ポピドンヨード
c. 塩化ベンザルコニウム
d. 次亜塩素酸ナトリウム
e. グルコン酸クロルヘキシジン

 

解説は、↓下のページに載せています。

kogumakita.hatenablog.jp

ここ2年の臨床検査技師国家試験問題から

臨床検査技師国家試験にも、良い問題がちらほらありますので、見ておくと良いでしょう。

臨検 62午前73 結核と同じ感染経路別予防策が必要な疾患はどれか。(2016年)

1.水痘
2.梅毒
3.風疹
4.コレラ
5.デング熱

臨検 62午後68 ウイルスとクラミジアに共通する特徴はどれか。(2016年)

1.二分裂で増殖する。
2.リボソームを有する。
3.抗生物質に感受性がある。
4.光学顕微鏡で観察できる。
5.増殖には生きた細胞が必要である。

↓解説は、こちら

kogumakita.hatenablog.jp

 

臨検63午後68 グラム陽性菌グラム陰性菌に共通する細胞壁の構成成分はどれか。(2017年)

1.タイコ酸
2.リン脂質
3.リポ多糖体
4.ペプチドグリカン
5.(1→3)-β-D-グルカン

臨検63午後79 細胞傷害性T細胞のT細胞レセプターで正しいのはどれか。(2017年)

1.遺伝子の再構成は起きない。
2.MHC クラスⅡ拘束性を持つ。
3.CD4 分子と共同して機能する。
4.抗原提示細胞からの刺激を受ける。
5.α鎖、β 鎖、γ 鎖およびδ 鎖からなる四量体である。

↓解説は、こちら

kogumakita.hatenablog.jp

 

 

歯科医師国家試験問題解説書―解説書/写真集/問題集〈第110回(2018)〉

歯科医師国家試験問題解説書―解説書/写真集/問題集〈第110回(2018)〉

 

 

 

 

 

 

2018年(平成30年)の国家試験日程

今年も、国家試験の季節になりました。

2018年(平成30年)の国家試験日程を確認します。

 

歯科医師国家試験(第111回)

平成30年2月3日(土曜日)、2月4日(日曜日)

 

医師国家試験(第112回)

 平成30年2月10日(土曜日)、2月11日(日曜日)

 

看護師国家試験(第107回)

 平成30年2月18日(日曜日)

 

臨床検査技師国家試験(第64回)

 平成30年2月21日(水曜日)

 

薬剤師国家試験(第103回)

平成30年2月24日(土曜日)、2月25日(日曜日)

 

歯科衛生士国家試験(第27回)

平成30年3月4日(日曜日)

 

全ては手が回っていませんが、いくつかの試験の微生物学・免疫学の予想問題をまた近いうちに載せたいと思います。

2017年 歯科衛生士国家試験から

2017年の歯科衛生士国家試験(第27回)から、微生物・免疫学の問題を抜き出します。

 

全ての問題には解説をつけていませんが、とりあえずあげています。

<今回の感想>

  • 考える力が試されるような問題はあまり多くなかった。
  • 基本的な知識を素直に問う問題が増えた(ただし、単なる暗記ではなく、理解していることを問われる)。

 


※※ 考える力を試される、重要な問題
  重要な知識を問う問題

 2017午前5
電子伝達系が存在するのはどれか。

細胞膜

核小体

ゴルジ装置

ミトコンドリア


※※ 2017午前9
エイズの発生機序に関与するのはどれか。

自己抗体の産生

IgE抗体の産生

補体依存性細胞傷害

ヘルパーT細胞の減少

  • AIDSの原因ウイルスであるHIVは、gp120というタンパク質を用いて、ヘルパーT細胞などの表面に発現しているCD4受容体を認識して、感染します。数年をかけて、感染したヘルパーT細胞が減少し、免疫不全状態になります

※ この問題、よくみると、予想が当たったいました!2016年の歯科医師国家試験に似た問題があり、予想でとりあげていました。

kogumakita.hatenablog.jp

 2017午前11)
中枢リンパ組織<一次リンパ組織>はどれか。

脾臓

胸腺

扁桃

リンパ節

 

2017午前12)図あり

歯肉縁上プラークの形成過程における細菌の構成比の経日変化を図に示す。縦軸は対数目盛である。

矢印が示すのはどれか。

Neisseria

Actinomyces

Streptococcus

Fusobacterium

 

2017午前13)図あり

う蝕発症に関わる糖の構造を図に示す。

この糖はどれか。

グルカン

グルコース

スクロース

フルクトース

 

 2017午前15

口腔カンジダ症の治療に用いられる抗菌薬はどれか。

セフェム系

ペニシリン

イミダゾール系

テトラサイクリン系

  • 抗真菌薬の種類を整理すること。

真菌の細胞膜に存在するエルゴステロール*1に結合して細胞膜を傷害する、ポリエン系抗真菌薬(例:アムホテリシンB)。
エルゴステロールの合成を阻害するアゾール系抗真菌薬(例:フルコナゾール)。
真菌細胞壁成分であるβ-グルカンの合成を阻害する、キャンディン系などがあります。

 

2017午前35

金属アレルギー検査はどれか。2つ選べ。

パッチテスト

薬剤感受性試験

ガスクロマトグラフィー

DLST<薬剤誘発性リンパ球刺激試験>

 

 2017午前37
手指の消毒に使用するのはどれか。2つ選べ。

ポビドンヨード

グルタールアルデヒド

次亜塩素酸ナトリウム

クロルヘキシジングルコン酸塩

 

  • 2年ほど前の、表の問題を理解していれば、易しい問題です。

グルタルアルデヒドは高水準消毒薬であり最も強力ですが、人体には使用できません
次亜塩素酸ナトリウムは中水準消毒薬で、場合によっては人体に使うこともあるようですが、基本的にはあまり使いたくありません。
クロルヘキシジンやポビドンヨードは手指消毒に使用します。
ただし、ポビドンヨードは腐食性のため金属には使用しないクロルヘキシジンは日本では粘膜に使用しないことを覚えておきましょう。

 

2017午前73 
歯周病原細菌により引き起こされる可能性があるのはどれか。

菌血症

自臭症

骨粗鬆症

遺伝性歯肉線維腫症

  • 口腔内の細菌が血中に入ると、菌血症という状態になり得ます。観血的治療によっても、一時的に起こります。

ちなみに、菌血症は血液に微生物が入っただけの状態で、血液中で微生物が増殖した状態を敗血症といい、より深刻です


 2017午後5

O型血液で正しいのはどれか。

抗A抗体 抗B抗体

a あり あり

b なし あり

c あり なし

d なし なし

よくある問題。
A型にはA抗原、B型にはB抗原があります。
自己の抗原に対する抗体はできず(免疫寛容)、非自己に対する抗体が作られるということを理解していれば、簡単です。


 2017午後11

アナフィラキシー型アレルギーの発現に関与するのはどれか。

IgA

IgE

IgG

IgM

 

2017午後12)図あり

口腔内細菌のグラム染色像を別に示す。

考えられるのはどれか。

Treponema denticola

Streptococcus mutans

Actinomyces naeslundii

Porphyromonas gingivalis

 

2017午後15

アナフィラキシーショックによる呼吸困難やチアノーゼに対して投与すべき薬剤はどれか。

アスピリン

アドレナリン

ニフェジピン

アセチルコリン

 

 2017午後16

口腔細菌と病原性の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

Lactobacillus casei – 酸産生

Streptococcus sobrinus – 毒素産生

Fusobacterium nucleatum – グルカン産生

Porphyromonas gingivalis – タンパク質分解酵素産生

  • P. gingivalisのジンジバインというタンパク質分解酵素は、免疫グロブリンを分解することができます

 

2017午後19

う蝕リスクを高めるのはどれか。

リパーゼ

デキストラナーゼ

ペルオキシダーゼ

グルコシルトランスフェラーゼ

  • GTFによって、スクロースから不溶性グルカンがつくられ、その中に細菌がつくる酸がたまることでpHが低下し、エナメル質の脱灰が起こると考えられています。

 

2017午後24
□に入るのはどれか。

 感染性廃棄物とは、医療機関等から生じ、人が感染し、もしくは感染するおそれのある□が含まれる可能性のある廃棄物をいう。

病原体

危険物質

汚染物質

有害物質

 

2017午後25
食中毒の原因別月別発生数<件数>を図に示す。

ノロウイルスによるのはどれか。

①②③④

 

2017午後35

細菌感染が疑われる患者のスクリーニング検査で指標となるのはどれか。2つ選べ。

CRP

赤血球

白血球数

血小板数

 

2017午後36

根管洗浄用プラスチックシリンジの感染予防対策で有効なのはどれか。

薬液消毒

乾熱滅菌

紫外線消毒

低温プラズマ滅菌

  • 根管に挿入するとすると、滅菌が必要と考えられます。そして、乾熱滅菌(180℃)は高温すぎてプラスチックには使用できません。低温プラズマ滅菌が適切と考えられます。

 

2017午後71

図あり

60歳の男性。歯根の露出、冷水痛および義歯の不具合を訴えて来院した。口腔診査終了後に検査を行い、次の結果を得た。<総菌数、S. mutans菌数、Candida検出なしなど>

この結果から考えられるのはどれか。

口腔乾燥

味覚障害

重度歯周炎

義歯の清掃不良

 

2017午後72

慢性歯周炎と比較した場合の侵襲性歯周炎の特徴はどれか。2つ選べ。

老年期に発症する。

組織破壊の進行が速い。

水平性骨吸収が認められる。

組織破壊量と比較して歯石沈着量が少ない。

 

2017午後73 

歯周病と双方向のリスクが考えられるのはどれか。

糖尿病

誤嚥性肺炎

虚血性心疾患

低体重児出産

 

2017午後88

非う蝕性甘味料はどれか。2つ選べ。

ラクトース

フルクトース

スクラロース

アスパルテーム

 

2017午後108 

金属アレルギーのパッチテストを受ける患者への注意事項で正しいのはどれか。2つ選べ。

パッチは毎日交換する。

運動を控えるようにする。

清潔に保つために毎日入浴する。

痒みがひどくなったら検査を中止する。

 

 

徹底分析! 年度別歯科衛生士国家試験問題集2018年版 平成29年版歯科衛生士国家試験出題基準対応

徹底分析! 年度別歯科衛生士国家試験問題集2018年版 平成29年版歯科衛生士国家試験出題基準対応

 

 

*1:動物細胞のコレステロールに相当。コレステロールエルゴステロールの違いにより、この種の抗真菌薬の選択毒性が発揮される

2017年 臨床検査技師国家試験のうち、基本的な問題

2017年の第63回 臨床検査技師国家試験から、微生物・免疫学に関連する基本的な問題をとりあげます。


※※いくつか、考えさせる良い問題があったように思います。その問題は赤星2つつけました。
考えさせるというほどではないけど、基本的な良問は赤星1つです。


午前7 
皮膚に付着していた虫体(体長2.5 mm)の写真(別冊No. 2)を別に示す。

この虫が引き起こすのはどれか。

f:id:kogumakita:20171106164929p:plain

 

1.疥癬

2.ペスト

3.発疹チフス

4.ツツガムシ病

5.重症熱性血小板減少症候群


近年話題の5.SFTSを答えさせたい問題に見えるが、1も正解となった。

5.のSFTSはマダニに媒介されるウイルス感染症で、病原体はSFTSウイルスです。
2010年代に中国で初めて報告された新興感染症と言えます。

疥癬は、ヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる皮膚の病気で、ダニそのものが病原体である感染症です。
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa6/index.html

SFTSを媒介するフタトゲチマダニの体長は、成虫で約3mm、血を吸った状態で約10mmです。
一方、疥癬の原因となるヒゼンダニの体長は、成虫で約0.4mmだそうです。
問題文の、「体長2.5mm」という情報からも、マダニであると考えられるのですが、体長(と写真)の情報だけから1.の疥癬を排除するのは適切ではないということなのか、1と5が正解となったのだと思われます。
<15>

 

午前68
ウイルスで正しいのはどれか。

1.核膜がある。

2.単細胞である。

3.有糸分裂する。

4.プラスミドを有する。

5.偏性細胞内寄生体である。

ウイルスの性質に関する基本問題です。
一言でいうと、ウイルスは生物ではなく、1~4は当てはまりません。
(すべての)ウイルスは偏性細胞内寄生体ですので、5が正解です。
偏性細胞内寄生体には他に、クラミジアリケッチアという特殊な細菌があります。

 

午前72
作用機序と抗菌薬の組合せで正しいのはどれか。

1.細胞質膜障害― アミノグリコシド

2.核酸合成阻害― グリコペプチド系

3.蛋白合成阻害― テトラサイクリン系

4.葉酸合成阻害― β-ラクタム系

5.細胞壁合成阻害― キノロン

抗菌薬の作用機序に関する基本問題。
テトラサイクリン系は、細菌の30Sリボソームに結合して、タンパク質合成を阻害します。
その他は、自分で調べてみてください。

 

午前73
日和見感染症はどれか。

1.梅毒

2.オウム病

3.腸チフス

4.感染性心内膜炎

5.ニューモシスチス肺炎

真菌感染症で、AIDSの指標疾患でもあります。
<5>

 

午前77
プリオン蛋白が病原因子となる疾患はどれか。2つ選べ。

1.急性灰白髄炎

2.ウシ海綿状脳症

3.Burkitt リンパ腫

4.亜急性硬化性全脳炎

5.Creutzfeldt-Jakob病

プリオン病には、2.のBSE狂牛病)や、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病やクールー、ヒツジのスクレイピーなどがあります。

 

午前78
Aspergillus fumigatusの模式図(別冊No. 16)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

f:id:kogumakita:20171106164907p:plain

 

1.頂囊

2.分生子

3.メツラ

4.分生子柄

5.フィアライド

カトリックの聖水をかける儀式に使われる容器を、アスペルギルムと呼ぶそうです。
その形に似ていることから、アスペルギルスという真菌の名前がついたそうです。
アスペルギルスの形は、特徴的なので、写真を見ればわかります。

<1>

 

午前79
免疫寛容の破綻が発症原因となる疾患はどれか。

1.花粉症

2.関節リウマチ

3.接触性皮膚炎

4.移植片対宿主病

5.血液型不適合妊娠

自己免疫疾患のひとつです。自己に対する免疫応答が起こってしまいます。
他の選択肢はそれぞれ、外来(非自己)の抗原に対する反応であり、免疫寛容の破綻が原因ではありません。
(免疫寛容とは、自己成分に対しては免疫反応が起きない現象・仕組みのことです。)
<2>


午前80
免疫応答で正しいのはどれか。

1.一次反応でIgMはIgGに遅れて出現する。

2.二次反応でIgMは出現しない。

3.二次反応で記憶B細胞が生じる。

4.二次反応は初回と異なる抗原を2回目に投与したとき起きる。

5.一次反応より二次反応の方が多くの抗体が産生される。

 

一次反応と二次反応の違いをよく理解できていれば、簡単です。正解は5。
1.一次反応ではIgMが先に出現するのが特徴です。
2.二次反応でも、IgGよりは少なくなりますが、IgMも産生されます。
3.一次反応で記憶B細胞が産生されるので、二次反応で迅速に反応できます。
4.経験済みの抗原に再びさらされることで、二次反応がおきます(記憶細胞がつくられているから)。
 初めて経験する異なる抗原が入ってくると、それはまた一次反応が起こります。

 

午前81
補体で正しいのはどれか。

1.血中濃度はC4が最も高値である。

2.レクチン経路は獲得免疫に関与する。

3.C3bはアナフィラトキシンとして作用する。

4.B因子は古典的経路と副経路の両方に関与する。

5.C1 複合体形成にカルシウムイオンを必要とする。

これはやや細かい理解を問われていますが、補体は重要です。
<5>

 

午前82 生ワクチンはどれか。

1.麻疹

2.A型肝炎

3.B型肝炎

4.肺炎球菌

5.破傷風トキソイド


基礎的な知識。
生ワクチンが使用される病原体は限られているので、覚えてしまえばよい。
麻疹・風疹・水痘・ロタ・ムンプス・BCGなど。
<1>

 

午前84
Ⅲ型アレルギー性疾患はどれか。

1.膜性腎症

2.Basedow病

3.アトピー性皮膚炎

4.自己免疫性溶血性貧血

5.特発性血小板減少性紫斑病<ITP>

<1>

 

午前86
ABO式血液型判定で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.ウラ検査は血球濃度10%で行う。

2.オモテ検査とウラ検査を両方行う。

3.カラム法では部分凝集が判定できない。

4.部分凝集がみられるときは亜型の可能性がある。

5.スライド法では判定用抗体滴下後5秒以内に判定する。

<24>

 

午前100
エチレンオキサイドガス滅菌の特徴はどれか。

1.薬液の滅菌ができる。

2.紙製の包材は使用できない。

3.160 ℃で60 分間の加熱をする。

4.絶対気圧2kg/cm2以上に加圧する。

5.滅菌後に充分なエアレーションが必要である。

人体にも有害な有毒ガスなので、使用後のガスの吸着・屋外への排出が必要である。
<5>

 

午後

午後9
PCR法で使用しないのはどれか。

1.制限酵素

2.プライマー

3.マグネシウムイオン

4.耐熱性 DNAポリメラーゼ

5.デオキシリボヌクレオシド三リン酸

お決まりの問題
<1>

 

10 体細胞の有糸分裂が起こるのはどれか。

1.G0 期

2.G1 期

3.G2 期

4.M 期

5.S 期

有糸分裂Mitosisが起こるのがM期

 

午後29
ATP産生に関与しないのはどれか。

1.解糖系

2.β 酸化

3.尿素回路

4.電子伝達系

5.クエン酸回路

<3>

 

午後37
蛋白質の生合成で誤っているのはどれか。

1.転写は核内で行われる。

2.翻訳はリボソームで行われる。

3.プロモーター領域に転写因子が結合する。

4.アミノアシル-tRNAの生合成にはATPが必要である。

5.転写にはRNA依存性DNAポリメラーゼが必要である。

5.転写はDNAの情報をRNAに写し取ることであるが、ここに必要なのはDNA依存性RNAポリメラーゼである。
(DNAを鋳型として、RNA鎖を合成する)
<5>

 

午後67
リンパ球で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.B 細胞は骨髄で産生される。

2.NK 細胞は免疫グロブリンを産生する。

3.成熟T細胞はトロンボポエチンを産生する。

4.成熟B 細胞は細胞表面に補体レセプターを持つ。

5.健常成人の末梢血ではT細胞よりもB 細胞が多い。

<14>

 

午後68
グラム陽性菌グラム陰性菌に共通する細胞壁の構成成分はどれか。

1.タイコ酸

2.リン脂質

3.リポ多糖体

4.ペプチドグリカン

5.(1→3)-β-D-グルカン

基本的な問題であるが、暗記というよりは、ちゃんと理解していて、その場で考えられる力がいる。
タイコ酸はグラム陽性菌細胞壁に、リポ多糖は陰性菌の外膜に含まれる。
リン脂質は細胞膜の成分であり、細胞壁成分ではない。
βグルカンは、真菌の細胞壁成分。

 

午後69
DNAウイルスはどれか。

1.風疹ウイルス

2.デングウイルス

3.エボラウイルス

4.A型肝炎ウイルス

5.B 型肝炎ウイルス

知っているかどうかの問題。

 

午後71
プラスミドで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.RNAである。

2.一本鎖である。

3.細胞質内に存在する。

4.ウイルスの構成成分である。

5.抗菌薬耐性の情報を伝達する。

プラスミドとはどういうものかを理解していればよい。
普通は二本鎖のDNAである。ウイルスの構成成分ではない。
<15>


午後73
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律感染症法>で三類感染

症はどれか。

1.結核

2.ペスト

3.ジフテリア

4.重症急性呼吸器症候群

5.腸管出血性大腸菌感染症

<5>

 

77 ワクチン接種で予防可能な髄膜炎の原因菌はどれか。2つ選べ。

1.Escherichia coli

2.Haemophilus influenzae

3.Neisseria meningitidis

4.Streptococcus agalactiae

5.Streptococcus pneumonia

三種類の組合せが正解となったようである。
<25,23,35>

 

午後79
細胞傷害性T細胞のT細胞レセプターで正しいのはどれか。

1.遺伝子の再構成は起きない。

2.MHC クラスⅡ拘束性を持つ。

3.CD4 分子と共同して機能する。

4.抗原提示細胞からの刺激を受ける。

5.α鎖、β 鎖、γ 鎖およびδ 鎖からなる四量体である。

1. T細胞レセプター(TCR)とB細胞レセプター(BCR)にはVDJ組み換えという遺伝子再構成が起きる。
2.3. 細胞傷害性T細胞(CTL)はCD8陽性T細胞であり、CB8はMHCクラスⅠと結合することで、提示された抗原をTCRが認識するのを助ける。
5. 二量体のはず。


午後80
免疫グロブリンで正しいのはどれか。

1.IgAは胎盤通過性がある。

2.IgD はT細胞に存在する。

3.IgE は肥満細胞に結合する。

4.IgG は補体活性化能がない。

5.IgM は分泌成分と結合している。

<3>

 

午後82 B型肝炎ウイルスワクチンの効果を判定する検査はどれか。

1.HBc 抗体

2.HBe 抗原

3.HBe 抗体

4.HBs抗原

5.HBs抗体

HBVの表面(surface)に存在する抗原であるHBsがワクチンとして用いられる。

HBsに対する抗体が産生されているかによって、ワクチン効果を判定する。

<5>

 

午後84
ヒト免疫不全ウイルス<HIV>の標的分子はどれか。

1.CD1

2.CD4

3.CD8

4.CD20

5.CD34

ウイルス表面のgp120というタンパク質によって、CD4陽性細胞(ヘルパーT細胞など)のCD4を認識して感染する。
<2>

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年 歯科医師国家試験問題から(微生物・免疫学分野)

2017年 平成29年に実施された、第110回歯科医師国家試験から、微生物学と免疫学の問題を抜粋し、コメントします。

<感想>

  • 初めてざっと見た時は、特に目新しい問題もなく退屈に思えたが、基本事項の理解が重要な問題が増えているという傾向を感じる。
  • 過去問を研究して、基礎知識・周辺知識を整理することが重要。
  • 暗記に頼るのではなく、「そもそもこれってどういうこと?」を意識できているかを試されるような問題が増えている気がする。

A問題

110A1 細菌の細胞壁分解能を有するのはどれか。1つ選べ。

a アミラーゼ

b リゾチーム

c デイフェンシン

d ラクトフェリン

e ペルオキシダーゼ

 

細菌の細胞壁の主な成分は何か、そもそも答えられますか?

ペプチドグリカンです。 

ペグチドグリカンの、N-アセチルグルコサミンNAG とN-アセチルムラミン酸NAMの間の結合を切断する酵素がリゾチームです。粘液、唾液、涙、母乳などに分泌されます。卵白にも多く含まれています。

 

110A5 節足動物が媒介する感染症の病原体はどれか。1つ選べ。

a ノロウイルス

b 狂犬病ウイルス

c デングウイルス

d B型肝炎ウイルス

e インフルエンザウイルス

 

節足動物には蚊などの昆虫やダニ・クモが含まれますが、蚊が媒介する感染症として近年話題になったのが、デング熱です。通常輸入感染症として海外で感染した人が国内で発症するとされていましたが、数年前には国内で感染が発生した事が騒ぎになりました。病原体はデングウイルスです。病原体と媒介動物の違いを理解しましょう。

 蚊が媒介する感染症としては、他にマラリアが有名です。こちらはマラリア原虫が病原体です。

次は、SFTSなどのダニ媒介感染症がでるかも??

 

110A9 好中球の貧食活性を高めるのはどれか。1つ選べ。

a IgA

b IgD

c IgE

d IgG

e IgM

 

 食細胞による貪食を促進する効果をオプソニン効果といいます。ギリシャ語でオプソンopsonとは、主食の他のおかずを指すそうです。ふりかけをイメージしたほうがいいかもしれませんが、病原体にオプソニン効果のある成分がかかっていると、食細胞にとって、とっても美味しそうに見えるわけです。補体や、免疫グロブリンではIgGにこの作用があります。実際のところは貪食細胞は、補体レセプターやFcレセプターによって、病原体に張り付いたこれらの成分を認識し、貪食します。

 

110A10 Avoiding the frequent intake of fermentable carbohydrates,especially sucrose,in diets is important for the (  ) of early childhood caries.

( )に入るのはどれか。1つ選べ。

a treatment

b prevention

c restoration

d development

e decalcification

 

 歯科国試では、英文の問題が必ずひとつ出題されています。基本的ですが、正解率はそんなに高くなく、必修問題であれば合否を左右すると言えます。日頃から、少し英語を意識しているといいでしょう。

 

110A14 ABO式血液型検査に用いられる反応はどれか。1つ選べ。

a 凝集反応

b 中和反応

c 沈降反応

d 溶解反応

e 補体結合反応

 

 例えば、A型の赤血球にはA抗原が存在し、B抗原は存在しません。そこに抗A抗体をかけると肉眼で分かる凝集が起こります。抗B抗体では起こりません。これにより血液型を判定します。

 

110A15 全身性の発疹を引き起こす病原体はどれか。1つ選べ。

a EBウイルス

b 麻疹ウイルス

c ロタウイルス

d ムンプスウイルス

e サイトメガロウイルス

 

(問題としては適切だが、必修問題としては妥当ではないため除外、とされた問題)

多くのウイルスは、感染する相手の細胞が決まっています。これを臓器親和性などと言います。一部のウイルスは、全身に感染することが知られています。麻疹ウイルスが代表です。

来年あたりは、どこに感染するか?という問題がでるかも??

 

110A17 スタンダードプレコーションで感染性物質として扱わないのはどれか。1つ選ベ。

a 汗

b 涙

c 喀痰

d 唾液

e 鼻汁

 

 汗以外の全ての体液を対象とします。

 

110A25 放線菌感染で菌塊周囲に多くみられるのはどれか。1つ選べ。

a 好酸球

b 好中球

c 好塩基球

d 肥満細胞

e リンパ球

 

110A32 ミュータンスレンサ球菌の合成する不溶性グルカンの構成単位はどれか。1つ選べ。

a グルコース

b スクロース

c ガラクトース

d グルコサミン

e フルクトース

 

グルカンというのは、グルコースの重合体です。繋がり方によって、様々な種類があります。来年はつながり方の問題がでるかも?

 

110A63 減数分裂がみられる分化過程はどれか。1つ選べ。

a 赤芽球から赤血球

b 精母細胞から精娘細胞

c 前骨芽細胞から骨芽細胞

d 歯乳頭細胞から象牙芽細胞

e 内エナメル上皮細胞からエナメル芽細胞

 

 減数分裂生殖細胞をつくる過程で起こります。ヒトの場合、染色体数が23対46本から、23本に減ります。こうしてできた精子卵子といった配偶子が受精して、元の数に戻るわけです。他の選択肢は全て体細胞分裂で、減数は起こりません。

 

110A71 アシクロビルが奏効するのはどれか。1つ選べ。

a 麻疹

b C型肝炎

c 感染性胃腸炎

d 口唇ヘルペス

e 成人T細胞白血病

 

これは基本的な知識です。そろそろもう少し突っ込んだことを聞かれるかもしれません。なぜ、アシクロビルはウイルス感染細胞のDNA複製を選択的に阻害するのか?とか。これはチロシンキナーゼがポイントです。

 

110A73 先天性梅毒患者の臼歯部に生じるのはどれか。1つ選べ。

a 歯内歯

b Turner歯

c Fournier歯

d タウロドント

e Hutchinson歯

 へー

 

79 ウイルスが原因の悪性腫瘍はどれか。2つ選べ。

a 乳頭腫

b 悪性黒色腫

c Burkittリンパ腫

d 慢性骨髄性白血病

e 成人T細胞白血病

 

 これは知っておきましょう。

 

110A99 核酸合成過程の代謝措抗によって抗腫蕩作用を示すのはどれか。2つ選べ。

a 5-FU

b ゲフィチニブ

c セツキシマブ

d メトトレキサー

e ドセタキセル水和物

 

 核酸ぽい名前です。5フルオロウラシルということで、ウラシルの5位の炭素Cに、フッ素Fがついているのかな、と想像されます。こういう核酸の類似体が混じっていると、核酸の合成がうまくできないと考えます。

マブmAbは普通、抗体monoclonal antibody を表します。マブで終わるのは、抗体薬品だと想像ができます。

 

110A108 父娘関係の鑑定に用いられるのはどれか。1つ選べ。

a X染色体DNA

b Y染色体DNA

c リボソームRNA

d トランスファーRNA

e ミトコンドリアDNA

 

XYとXX。ミトコンドリアは母系に遺伝する(卵子ミトコンドリアが受精卵に受け継がれる。精子ミトコンドリアがないわけではないが、受精卵には受け継がれないそうだ。その仕組については、面白そうだけど知りません)。

他の選択肢は、生物の系統を解析するのに使われたりするが、同種内では大きく違わないので、親子関係の判定には向かない。

 

110A120 血中βーグルカン値が診断に用いられるのはどれか。1つ選べ。

a B型肝炎

b 帯状疱疹

c 深在性真菌症

d MRSA感染症

e 化膿レンサ球菌感染症

これぞ、過去問の研究が問われている問題。

 

 

C問題

110C2 単一遺伝子病に関連するのはどれか。1つ選べ。

a 染色体数の異常

b メンデル遺伝形式

c 常染色体の構造異常

d 性染色体の構造異常

e 胎生期ウイルス感染

 

 (問題としては適切だが、必修問題としては妥当ではないため、除外された問題)

染色体の数や構造の以上は、多くの遺伝子が影響を受けると考える。単一遺伝子の遺伝は、メンデルの法則に従う。ウイルス感染は遺伝子病ではない。

 

110C10 Actinomyces viscosusの特徴はどれか。1つ選べ。

a 芽胞形成能

b 線毛の存在

c 偏性嫌気性

d 黒色色素産生性

e リポ多糖の存在

 (問題としては適切だが、必修問題としては妥当ではないため、除外)

まず、Actinomyces属はグラム陽性の桿菌です。

おさえておかなければいけない基本事項は、、

芽胞形成するのは、Baccilus属と Clostridium属。

黒色色素産生は、Porphyromonas属や Prevotella属の歯周病原菌が代表的。

リポ多糖(LPS)は、グラム陰性菌が持つもの。

残るはbとcですが、多くのActinomces属は通性嫌気性なので、正解は、bなのかな?たぶん、、

 

110C16 B型肝炎ウイルスの感染予防に有効な消毒薬はどれか。1つ選べ。

a ポビドンヨード

b 消毒用エタノール

c 塩化ベンザルコニウム

d 次亜塩素酸ナトリウム

e グルコン酸クロルヘキシジン

 B型肝炎ウイルスって、病原体の中でも消毒に対する抵抗性が強い部類のようです。この中でB型肝炎に有効とされるのは、、、?

 

110C20 F. Crickとともに図に示すモデルを提唱したのはどれか。1つ選べ。

a P. Curie

b K. Mullis

c J. Watson

d F. Sanger

e W. Gilbert

 これは一般常識的な有名人です。DNAの二重らせん中の相補的な塩基対のことを、「ワトソン-クリック塩基対」と言ったりもします。

 

110C24 院内感染対策で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 外国感染は対象としない。

b 病院スタッフは対象外である。

c 消毒・滅菌は対策の一つである。

d 抗菌薬の使用方法とは無関係である。

e 一般社会環境と同様の対策をとることが望ましい。

 

院内で感染を拡大させないために必要なことは??と考えれば正解できそうです。

eについては、院内には高齢者などの易感染性宿主も居ますので、一般環境と同じという訳にはいかないと考えます。

d 抗菌薬の乱用により、耐性菌が増加・感染拡大する危険があります。

 

 110C57 手足口病の病原体はどれか。1つ選べ。

a アデノウイルス

b エンテロウイルス

c 単純疱疹ウイルス

d ムンプスウイルス

e 水痘・帯状疱疹ウイルス

 

これは基本的な知識です。 

 

110C61 正常組織像(別冊No.11)を別に示す。Sjögren症候群と関連するのはどれか。1つ選べ。

a ア

b イ

c ウ

d エ

e オ

 

 唾液腺ってことでしょうか?

 

110C72 自己抗体が関与するのはどれか。1つ選べ。

a 2型糖尿病

b 重症筋無力症

c 接触性皮膚炎

d DiGeorge症候群

e 重症複合免疫不全症

 

(アレルギー性)接触性皮膚炎は、Ⅳ型アレルギーに分類され、T細胞が炎症誘導に役割を果たす、特定の抗原に対する炎症である。自己抗体は関係ない。

重症筋無力症は、末梢神経と筋肉のつなぎ目の筋肉側の受容体などが自己抗体により破壊されることで、筋肉を動かす信号が伝わらないことが原因と考えられています。

DiGeorge症候群は、染色体欠失により胸腺形正が不十分となり、正常なT細胞のプールができない状態です。

重症複合免疫不全症にはいろいろなパターンがありますが、遺伝子の変異などにより免疫機能に重大な欠陥が生じた状態です。自己抗体は関係ありません。

 

110C82 抗菌薬感受性を測定する方法はどれか。2つ選べ。

a ディスク法

b Ouchterlony法

c 微量液体希釈法

d 酵素結合免疫測定(ELISA)法

e Polymerase Chain Reaction (PCR)法

 

 ディスク法は、抗菌薬の染み込んだろ紙を平板培地におくことで、対象となる微生物の抗菌薬に対する感受性を判定します。

Ouchterlony法は、抗原と抗体を寒天にあけた別々の孔から拡散させ、沈降線により結合の仕方を判定します。

(微量)液体希釈法は、分かりにくいですがここでは、培養液中で抗菌薬を段階希釈した系列をつくり、どの濃度まで微生物が増殖できるかを判定することで、最小発育阻止濃度MICを測定できる方法を指すと考えられます。

ELISAは抗原抗体反応を利用した、特定のタンパク質の存在の判定などに用いる方法です。

PCRは、言わずと知れた、DNAの増幅法です。

このような、生命科学の実験手法に関する出題も時々あります。基本的な原理を知っておきましょう。他に、エスタンブロットサザンブロットSDS-PAGEアガロースゲル電気泳動などが基本的でしょうか。

 

110C99 遺伝子再構成で多様性を獲得するのはどれか。2つ選べ。

a B細胞

b T細胞

c NK細胞

d 樹状細胞

e 肥満細胞

 普通、生殖細胞を除く体細胞は全て受精卵と同じゲノム配列を持っていますが、B細胞とT細胞だけは、それぞれの抗原を認識するB細胞受容体(免疫グロブリン)とT細胞受容体(TCR)の遺伝子のV(D)J組み換えが起こることで、無数の抗原に対応できるようになります。免疫グロブリン遺伝子の組み換えがおこること示してノーベル賞を受賞したのが利根川進博士です。近いうちに、人名問題ででるかも??

 

102 白血球の細胞膜の構造を傷害する毒素を産生するのはどれか。1つ選べ。

a Tannerella forsythia

b Treponema denticola

c Fusobacterium nucleatum

d Porphyromonas gingivalis

e Aggregatibacter actinomycetemcomitans

 

これは知識問題です。eが、ロイコトリエンという毒素を産生します。

 (leukocyte = 白血球)

 

110C113 原虫感染症はどれか。1つ選べ。

a オウム病

b 日本紅斑熱

c ハンセン病

d アスペルギルス症

e トキソプラズマ

 

原虫とはなにか?原虫による感染症にはどのようなものがあるか?

毎年聞かれるわけではありませんが、病原体の分類の基本です。

 

以上、微生物・免疫学に関する問題の解説でした。

やはり、あまり重箱の隅のような問題は少なく、基本を理解しているか、が問われていると思います。こういう問題を確実に正解していくことが、合格につながります。

 

↓2018年 第111回歯科医師国家試験の予想問題はこちら。あたる確立は低めです。

kogumakita.hatenablog.jp

歯科医師国家試験問題解説書―解説書/写真集/問題集〈第110回(2018)〉

歯科医師国家試験問題解説書―解説書/写真集/問題集〈第110回(2018)〉

 

 

予想問題 2017年 歯科衛生士国家試験(微生物・免疫学分野)

私のメモが確かなら、、、2017年3月5日は第27回歯科衛生士国家試験です。

 

ここでは、主に微生物学・免疫学分野の出題予想問題をとりあげたいと思います。予想と言っても、最近の他の医療系国家試験問題などから拾ってきたものがメインになります。

 

なかでも歯科衛生士の国試には、過去の歯科医師国家試験を参考にしたと思われる問題はよく出ますので、そのあたりは特に注目する必要がありそうです。

逆に衛生士→歯科医師国試のパターンもあります。

 

では、問題にいきます。

免疫グロブリンに関する図を理解して、答える問題。

2016年の歯科衛生士国家試験に良い問題がありました。

歯科衛生士国家試験 2016年

(午前12)免疫グロブリンの図を示す。この免疫グロブリンの特徴はどれか。

 f:id:kogumakita:20160609154418p:plain

  1. 胎盤通過性がある。
  2. 抗原感作後に最も早く出現する。
  3. 免疫グロブリンの中で血清中に最も多い。
  4. アナフィラキシーショック型アレルギーの原因となる。

この問題は、二段階に読み解く必要があります。

まず図から、

・これは免疫グロブリンの五量体である。

  ↓

・五量体をつくるのはIgMである。

  ↓

IgMの機能として、選択肢の中で正しいのはどれか?

という順で思考する必要があります。答えは自ずと、「2」になりますね。

単純ですが、二段階に関連付けて答える必要がある、良問です。

単発の知識ではなく、考える力が問われます。

 

※これをもとにした予想問題を作ってみます。

免疫グロブリンの図を示す。この免疫グロブリンの特徴はどれか。

f:id:kogumakita:20170222190259p:plain

  1. 胎盤通過性がある。
  2. 抗原感作後に最も早く出現する。
  3. 免疫グロブリンの中で唾液中に最も多い。
  4. アナフィラキシーショック型アレルギーの原因となる。

これだとどうですか??

ヒント:二量体をつくる免疫グロブリンはどれ??そしてその特徴は??

(3.の選択肢は、「分泌型が存在する」となっていると、もう少し簡単かもしれません。(簡単すぎる?))

 

次に、

臨床検査技師国家試験 2016年

80 次の模式図においてIgG濃度の変化を示すのはどれか。

f:id:kogumakita:20160622175847p:plain

 

1.① 2.② 3.③ 4.④ 5.⑤

 ポイントは、IgGは胎盤通過性がある、ということです。言葉では覚えているけど、それをグラフで表現するとどうなりますか??単純なことが問われているが、グラフを読み取って考える必要がある良問です。ちなみに、看護師国家試験で数年前に似た問題がでていました。それを焼き直した問題といえます。

 歯科衛生士の国家試験でも免疫グロブリンの種類と機能は頻出ですが、マンネリ気味なので、こんな感じの新しい問題が出そうと予想します。

 

消毒薬の希釈に必要な液量を問う問題

3倍希釈の麺つゆを薄めたりすることがあると思うので、考えれば分かりそうなものですが、なかなか最近の大学生に聞いても正解できない人が多いです。昨年歯科衛生士国家試験で出題されましたが、似たような計算問題が今後もでそうです。。

 

歯科衛生士国家試験(2016年)

(午後97)床やスピットンに散った血液の消毒に6%次亜塩素酸ナトリウム液を希釈して0.5%液を600mL作ることにした。 

 6%次亜塩素酸ナトリウム液は何mL必要か。

  1. 25 mL
  2. 50 mL
  3. 75 mL
  4. 100 mL

看護師国家試験(2015年)

90. 5 %のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて 0.2 %希釈液 2,000 mL をつくる

のに必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。

解答:①②mL

<計算問題:2桁の数字をマークシートで答える問題です>

 

↓考え方をやや詳しく書いています。

kogumakita.hatenablog.jp 

 

感染症の流行時期を問う問題

2016年の医師国家試験の問題で、おもしろい問題がありました。詳しくはリンクをご覧ください。これも初めて見ると戸惑うかもしれませんが、考えると一般常識で答えられる問題です。こんな感じのも出るかもしれません。

 

医師国家試験(2016年)

110B25 あるウイルス性疾患の我が国における月別発生数の傾向を示す。

この疾患はどれか。

f:id:kogumakita:20160713174225p:plain

a 水痘

B型肝炎

デング熱

d インフルエンザ

アデノウイルス感染症

詳しい解説はこちら↓

kogumakita.hatenablog.jp

 

直近の歯科医師国家試験からの類似問題が出題される傾向があるということで、2016年の問題からいくつか取りあげます。2017年の歯科医師国家試験はまだ詳しく見ていませんが、出題には間に合わないのでいいでしょう。

昨年2016年の歯科医師国家試験問題はこちら↓。

kogumakita.hatenablog.jp

歯科医師国家試験(2016年)

(109C4) CD4 陽性T細胞の減少を引き起こすのはどれか。1つ選べ。

  1. HIV
  2. HBV
  3. 麻疹ウイルス
  4. ポリオウイルス
  5. インフルエンザウイルス

<超超基本問題です!「T細胞に感染するウイルス」が答えられるとよいです。わかりますよね??>

----------------------------------------------------------------------

追記:この問題、ほぼ的中していました!実際の問題はこちら↓

※※ 2017午前9
エイズの発生機序に関与するのはどれか。

a. 自己抗体の産生

b. IgE抗体の産生

c. 補体依存性細胞傷害

d. ヘルパーT細胞の減少

kogumakita.hatenablog.jp---------------------------------------------------------------------------

 

 

(109C16) スタンダードプレコーションで誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 全ての患者に適用される。
  2. 米国CDCが提唱したものである。
  3. 再使用する器具は洗浄・滅菌をする。
  4. 傷のある皮膚を扱う際にも適用される。
  5. 特定の病原体ごとに決められた予防策である。

<標準予防策とは、病原体を特定せずに、全ての可能性のある病原体に対して最低限の共通した予防策です。よって、誤っているのは5.です。>

 

(109C46) 回帰発症によるものはどれか。1つ選べ。

  1. 水痘
  2. 手足口病
  3. 口唇ヘルペス
  4. 流行性耳下腺炎
  5. ヘルパンギーナ

 <「回帰発症」というのはヘルペスウイルス感染症の特徴で、一度かかったあとに潜伏していたウイルスが、免疫低下時などに増殖して再び発症します。単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスや、水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹などがこの回帰発症にあたります。よって、答えは3.。

 1.水痘は違うの??と思った人はするどいです。水痘・帯状疱疹ウイルスというのはひとつのウイルスなのですが、初感染では水痘の症状を起こし、潜伏後の回帰発症で帯状疱疹を起こします。なので、水痘は回帰発症には当たらないという考え方が必要です。「帯状疱疹」が選択肢にあれば、これも正解になるはずです。

 あと、ヘルペスウイルスに効く抗ヘルペスウイルス薬として、アシクロビルは当然知っておく必要があります。>

 

今年2017年の歯科医師国家試験の予想問題も参考にしてください↓(ただし、あまり当たってない)。

kogumakita.hatenablog.jp

その他、一部重複がありますが、こちらも練習問題として使える問題が含まれています↓。

kogumakita.hatenablog.jp

それでは、試験がんばってください!